物流ロボが半年無料に!オリックスの新物流拠点がオープン/オリックス
オリックスは今年4月、埼玉県松伏町に物流施設「松伏ロジスティクスセンター」を開設した。テナントが最大で8社入居できる大規模な物流倉庫だ。特徴の一つが、大型の無人搬送車(AGV)など物流ロボットのフリーレント(無償貸し出し)を6カ月間利用できること。「人手不足からAGVなど物流用ロボットへの注目が高まっているが、業界内でも実績がまだまだ少ないため、投資に踏み切りにくい。まずフリーレントで利用してメリットを感じてもらえれば」と清田衛物流事業部長は語る。
大規模物流拠点が埼玉に誕生
物流業界でも人手不足は深刻だ。扱う製品が決まっているメーカー自前の物流拠点なら自動倉庫も効果的だが、業界や顧客によってはより柔軟性の高い自動化システムが求めらる。 「こうしたニーズに応えられるとAGVなどの物流ロボットに集まっているが、事例がまだまだ少ないため投資に踏み切りにくい。そこでまずフリーレントで利用してもらい、そのメリットを知ってもらえれば」と清田部長は話す。 物流コストの60%は輸送費で、35%が倉庫費と言われる。その倉庫費の半分は人件費で、その費用は年々上昇傾向にある。AGVなどで自動化することで、この人件費を20%程度削減できるという。 フリーレント終了時にロボットを返却することもできるが、引き続きレンタルで使ったり、そのまま買い取ることもできる。
棚ごと運べるAGVをラインアップに追加
オリックスが運営する一部の物流拠点では昨年から一足早く同様のフリーレントサービスを開始しているが、今回の松伏ロジスティクスセンターの竣工に合わせ、対象製品のラインアップを拡充した。 追加した新製品は二つ。一つ目が、中国HIKVISION(ハイクビジョン)の物流用AGV「レイテント・モバイル・ロボット」だ。可搬重量は600kgと1tの2タイプで、棚や荷台(パレット)ごと荷物を運搬できる。 「当社は以前から小型のAGVのレンタルはしていたが、棚ごと運べる高可搬のタイプが欲しいとの声に応え、ラインアップに加えた」とオリックス・レンテックの経営統括チームマネージャー言う。 ハイクビジョンは中国の大手監視カメラメーカーで、AGVにもカメラを搭載。床や棚の下に張られたマークを読み取って自らの位置や運搬対象物などを把握し、自律的に走行する。走行経路に人がいたり障害物があった場合は、自動で他のルートを再計算する。