[iREX2025リポートvol.11]マテハンシステムは市場の要求が明確に【後編】
自動車メーカーが搬送ロボット市場に参入
マテハンを自動化する機器が注目を浴び、同市場に新規参入する企業も増えている。特に自動運転や電動駆動、車体製造など自動車向けの技術は搬送ロボットに応用しやすく、今回展では2社の自動車メーカーがブースを構え存在感を示した。
その1社であるスズキは、搬送ロボットの車体となる電動ユニットと、自動走行技術をアピールした。開発中の電動ユニット「MITRA(ミトラ)」は、悪路の走破性に優れるなどの特徴を持つ。ミトラ自体はあくまで車体であり、ブースにはオムロンや山善、UACJなどのパートナー企業が、ミトラを用いて開発した搬送ロボットが並んだ。
そしてブース中央では、デジタルツイン技術を活用したロボットの自動走行デモを披露した。ブースの上部4カ所に、レーザーで周囲を認識する「LiDAR(ライダー)」センサーを設置し、一定の範囲をデジタル空間に再現する。そのデジタルツイン上でロボットの走行ルートを設定し、ロボットへ指示を送る。ロボット自体にはLiDARなどが搭載されておらず、その指示通りに走行する。リアルタイムで情報を反映するため、周辺環境が変わる、人が近づいてくるなどの状況に合わせてルート変更や停止の指示も送れる。
モビリティ連携基盤開発部の杉村嘉秋部長は「従来の搬送ロボットとは全く異なるアプローチ。搬送ロボット自体ではなく、こうした基盤となる技術を提供したい」と語る。
韓国の現代自動車(ヒョンデ)グループ傘下の研究機関Robotics LAB(ロボティクスラボ)は、搬送ロボットの開発に使える車体「MobED(モベッド)」を展示した。4つの車輪は個別に高さを制御でき、10度の傾斜や20cmの段差も走行できる。
LiDARなどを搭載して搬送ロボットとして使える「MobEDベーシック」と、3DLiDARで自律走行できるパッケージ仕様の「MobEDプロ」の2種類をそろえる。「自動車と搬送ロボットの境界は曖昧になってきている。現代自動車グループの技術を生かし、多様な場面で活用できるモビリティを提供したい」と担当者は言う。
MobEDの量産体制は整っており、来年中に韓国で発売する。

