• イベント
2026.07.03
★お気に入り登録

フィジカルAIに脚光! 来場者数は過去最多を更新【その3】/ロボットテクノロジージャパン2026

6月11日~13日の3日間、愛知県常滑市の「アイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)」でロボットや自動化システムの専門展「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2026」が開催された。RTJは自動車産業が盛んな愛知県で開催されることもあり、自動車を意識した展示をメインに据える出展者も目立った。RTJリポートの「その3」では自動車関連の注目を集めた展示を紹介する。

取材・RTJ取材班構成・曽根勇也

自動車産業の集積地だからこそ

 愛知県やその隣接県には自動車メーカーや自動車部品メーカーの工場が集積し、巨大な自動車産業のビジネスエコシステム(生態系)を形成している。
 そのためRTJでも、自動車産業向けのシステムを展示する企業は多かった。

ダイヘンは自動車産業を意識した搬送の自動化を提案した

 例えばダイヘンは、自動車産業での搬送を意識した自動化デモを披露した。同社製の垂直多関節ロボットや自律走行型搬送ロボット(AMR)「AiTran(アイトラン)」などを使い、省スペースで高密度な物流システムを提案した。その他自動車産業向けに、協働ロボットや人工知能(AI)技術を活用した自動溶接システムなどを紹介した。

 FAロボット事業部長の中川大輔執行役員は「スペースの限られた場所でもロボットを活用できるイメージを示した。自動溶接では動作設定を簡単にできる技術を提案し、生産現場の自動化を支援したい」と語る。

大手ロボットメーカーもこぞって提案

川崎重工業が展示した、2台の協調動作で塗装するシステム

 他にも自動車向けに力を入れた大手ロボットメーカーは多い。

 川崎重工業は自動車部品に適した塗装システムと外観検査システムを展示した。塗装システムでは塗装の対象物(ワーク)をハンドリングするロボットと、スプレーガンを持つロボットを協調させて最適に動作させた。これで塗料の無駄を減らせ、塗装品質も高められる。外観検査システムでは、コンベヤーを動かしたままバンパー部品の複雑な自由曲面の検査を行った。
 「愛知県の地域性を考慮して自動車産業に適した2つのシステムを展示した。反響は非常に大きい」とロボットディビジョンの田波誠グローバル事業推進部長は言う。

安川電機は変種変量生産に対応できるスポット溶接システムをアピールした

 安川電機も自動車産業を意識したスポット溶接システムを提案した。自動車のドアパネルなどさまざまな種類のワークをAMRに乗せたシステムで、そのAMRが溶接ステーションに行くと溶接ロボットがワークに合わせた動作でスポット溶接を行う。
 「ドライブスルーのように、生産指示があった製品を次々に製造できる」と岡久学上席執行役員ロボット事業部長は話す。

重量のある自動車の金属部品に対応

IDECファクトリーソリューションズは可搬質量の大きい協働ロボットを自動車向けにも提案

 IDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市、藤木勝敏社長)は、自社で取り扱う中国の珞石机器人(ROKAE〈ロッケー〉)の協働ロボット「CR35-35/2.2C」を初披露した。
 ブースでは粉袋を自動搬送するデモを実施したが、鈴木正敏執行役員は「CR35-35/2.2Cは35kg可搬で、協働ロボットの中では比較的大型であるため、自動車部品などの重量物の搬送自動化のニーズを狙いたい」と話す。

金属部品もしっかり把持できるブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズのTETOTE

 ブリヂストンの社内ベンチャーのソフトロボティクスベンチャーズは、ソフトロボットハンド「TETOTE(テトテ)」を展示した。テトテは従来、スタンダードモデルとスリムモデルをそろえていたが、今年6kg可搬と12kg可搬の2タイプの「ストロングモデル」を追加した。会場では12kg可搬の「ストロングモデル-12」を使い、大きな自動車部品の搬送デモで大きな注目を集めた。
 「ソフトハンドと聞くと把持力が弱いものをイメージする人も多いが、テトテはフィンガーが人工筋肉そのものでできており、力強い把持が可能。自動車産業での実績もあるので、ぜひ多くの企業に使っていただきたい」とソフトロボティクスベンチャーズの音山哲一最高経営責任者(CEO)は話す。

自動車部品メーカーとして培った自動化技術を提案

アイシンシロキはロボットを汎用ジグとして使うための技術を訴求した

 自動車部品メーカーが新規事業として取り組むロボット関連の製品やシステムも展示された。社内で培った自動化ノウハウを応用した製品だ。

 ドアフレームなどの自動車部品メーカー、アイシンシロキ(愛知県豊川市、小山一人社長)はRTJに初出展し、内製したロボット位置決め補正用ソフトウエアなどを紹介した。空間位置を把握できるレーザートラッカーを使い、ロボットの位置決め精度のズレを実際に計測。それを基に補正をかけることで、位置決め誤差を±0.1mm以下に抑えられるという。ドアフレームの溶接時は型番ごとに専用の固定具(ジグ)が必要だったが、専用ジグをなくしてロボットを汎用的なジグとして使うために開発した技術だ。

エクセディは新規事業で開発したけん引タイプのAMRを展示した

 自動車部品メーカーのエクセディは、新規事業の一環で自社開発したAMR「Neibo(ネイボ)」を出展した。同社のAMRはかご台車などのけん引に特化しており、顧客のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ対応ができるのが特徴だ。
 三浦良太部長は「けん引タイプのAMRは、倉庫から出荷ヤードまでの搬送自動化に向く。搬送自動化のニーズは今後間違いなく拡大するため、力を入れて提案している」と話す。 

 その他にも自動車向けの提案や自動車部品メーカーの展示は多く、いずれのブースも多くの来場者でにぎわった。

――RTJ2026展示リポート終わり

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE