[ロボットが活躍する現場 vol.61]自動化テーマは“単純作業の省人化”/北東工業
表面処理やプレス加工を手掛ける北東工業(名古屋市港区、金田和久社長)は今年4月、協働ロボットシステムを本格的に稼働させた。単発プレスで加工した板材をロボットが連続で100枚取り出す工程を自動化した。システムの導入を担当した金田将和業務部長は「年々加速する人手不足や人件費の高騰を受け、わが社なりの“人に頼らない生産体制へのアプローチ”を見つける必要があると考えていた」と語る。
まずはブランク材の取り出しから
北東工業は金属のプレス加工を手掛けており、グループ企業も合わせれば表面処理まで一貫して対応できる。自動車や建設現場向けに多岐にわたる製品を製造し、1品種当たり月産1万個以下の「多品種中量生産」を多く取り扱う。厚いもので14mmの板厚に対応するなど、幅広い加工ニーズに応えられるのが強みだ。
愛知県飛島村の工場では順送型プレスによる生産と単発型プレスを使った生産体制を敷く。単発型プレスではまず金属の板材から必要な形状を打ち抜き、中間材料の「ブランク材」をストックする。次に、複数の単発プレス機を並べたラインでブランク材に曲げや絞り、穴開けなどの加工を順次施して製品が完成する。
従来、プレス機への板材の投入や取り出しは人手に頼ってきた。自動化への関心はありつつも、多品種ゆえの頻繁な品種の切り替えや導入コスト、失敗のリスクを考えるとなかなか踏み切れずにいた。
金田業務部長は「今の生産体制に問題はないが、国内の製造現場における人手不足は年々加速し、人件費が高騰している。わが社も自動化や省人化を段階的に進め、人に頼らない生産体制へのアプローチを見つける必要があると以前から考えていた」と話す。
そこで、昨年から飛島工場で協働ロボットシステムの開発に着手。今年4月にはブランク材を生産、中間保管する工程で稼働をスタートした。
同工程ではコイル状に巻かれた板材をフィーダーが単発プレスに自動供給し、ブランク材を打ち抜いて加工する。次に中国の協働ロボットメーカー、FAIRINO(ファイリノ)のロボットがそれを取り出し、2台配置したコンベヤーに積み上げるまでの工程を自動化した。
金田業務部長は「単発プレス機を複数並べた工程を自動化するには、ロボットが板材を投入する作業と取り出す作業の二つをこなす必要がある。まずはブランク材の取り出しの自動化を確立し、ロボットに任せる範囲を徐々に増やそうと考えた」と語る。

