[連載コラム:いまさら聞けないキーワード] vol.04 マテハン
マテハンは「マテリアルハンドリング(Material Handling)」の略で、直訳すると「ものを取り扱うこと」になります。
もう少し具体的にすると、「もの」とは材料や仕掛かり品、完成品など、工場や倉庫の中を工程に沿って流れるさまざまな「もの」を指します。「取り扱う」とは、ものを運んだり、保管したり、仕分けすることです。
マテハンは非常に幅広い意味を持ちます。ものの種類によって、箱なら「ケースハンドリング」、部品なら「パーツハンドリング」などと呼び分けることもあります。
取り扱いの目的で分類すると、産業用ロボットが使われるものでいえば、パレット(荷役台)に荷物を積み上げる「パレタイズ」、積み上がったパレットから一つずつ取り出す「デパレタイズ」、トラックの荷台などから倉庫へ降ろす「デバンニング」などがあります。
ものを取り扱う道具――つまりマテハン機器は、昔からあるものではコンベヤーや自動倉庫、無人搬送車(AGV)、最近では自律走行型ロボット(AMR)、無人搬送フォークリフト(AGF)などがあります。産業用ロボットもマテハンに使うのならマテハン機器の一つと言えます。
大きさも形も多岐にわたるマテハン機器の中から、ものや作業内容に合わせて、どう組み合わせるかがポイントです。
ちょうど今月、2024年4月からトラックドライバーなどの時間外労働時間が年間960時間までに制限され、物流業界で人手不足がさらに加速すると言われています。マテハンはトラックの荷待ち時間の短縮に貢献するため、大きな注目を浴びています。
製造や物流の現場に携わる方は、今一度現場を振り返り、マテハンのあり方を見直してみてはいかがでしょうか。