生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.11.15

[特集 2023国際ロボット展vol.2]ロボットがより身近に/橋本康彦 運営委員長

11月29日~12月2日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「2023国際ロボット展(iREX2023)」が開かれる。産業用ロボットに加えサービスロボットやその他各種ロボットの最新ソリューションが一堂に集まる世界最大級のロボット専門展だ。人手不足などを背景にロボットに社会的な関心が集まる中、過去最大規模で開催される同展。運営委員会の橋本康彦委員長(川崎重工業社長兼最高経営責任者)に、同展に向けた期待や意気込みを聞いた。

ロボットで持続可能な社会を

――いよいよ11月29日から国際ロボット展が開催されます。
 国際ロボット展は世界最大規模のロボット専門展です。今回は「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」をテーマに、過去最大規模での開催となります。

――「ロボティクスがもたらす持続可能な社会」をテーマに選ばれた理由を教えてください。
 ロボットは、持続可能な社会の実現に向けた、さまざまな社会課題の解決に寄与するものだからです。国際ロボット展を、各社の製品が展示される単なる工業展ではなく、未来に向けたソリューションを関係者やユーザーと共に考えていくイベントにしたいと考えています。

――社会課題の解決とは、具体的には?
 まずは、少子高齢化や人手不足に対し、製造業などの現場で働く人をサポートすることが挙げられます。いま現場では、人手不足や働き方改革への対応などが強く求められています。人手の確保がしにくくなり、さらには朝から夜遅くまで長時間働いてもらうのも難しい時代ですから、ロボットによる自動化の必要性が高まっています。

――なるほど、人手不足は喫緊の課題ですね。
 人手不足なのは製造業だけではありません。物流の「2024年問題」が話題になっていますが、物流現場を支えるロボットも増えています。また、サービス業や医療、ヘルスケア、農業など、社会のあらゆる分野をサポートするロボットが登場しています。仕事だけでなく、個人の生活をサポートするものもあり、ロボットはより身近なものになっていくでしょう。

――国際ロボット展は単なるビジネスマッチングの展示会ではないのですね。
 ビジネスマッチングはもちろん重要です。自社の製造現場の課題解決に役立つ製品やアイデアを見つけるのにこれ以上適した場はありません。しかしそれだけが国際ロボット展の役割ではなく、10年~20年先の社会も見据えています。レストランなどで配膳ロボットを見る機会も増えていますが、ロボットは今後、人の隣で寄り添うような存在になります。そうした未来に向け、高齢者や主婦、学生、子ども達など、あらゆる方々に最新のロボットを見ていただき、国際ロボット展を楽しんでもらいたいです。

――子どもなどロボットの購入予定がない人でも歓迎なのですね。
 子どもや学生がロボットに関心を持てば、将来のロボット産業を担う人材になってくれるかもしれませんので、大歓迎です。最終日は土曜日ですので、ぜひ親子連れでご来場ください。ロボットの魅力に多くの人に触れてもらうことで、さらに魅力が増して規模も大きくなる好循環が生まれます。私はこれを「ロボット Jリーグ論」と言っています。

――ロボットJリーグ論ですか?
 Jリーグが発足した当時はプロスポーツと言えば野球で、サッカーファンはまだそこまで多くありませんでした。ですが各チームが地域住民と積極的に交流し、地域を巻き込むことで人気になりました。サッカーが好きな子どもが増えれば数年後にはレベルが上がり、ビジネスとしてさまざまな形で多くの人が関わるようになれば、それも大きな力になります。そうなればレベルはさらに上がり、一層多くの人が関わるようになります。

――ロボットも同様だと?
 ロボットに憧れる子どもや学生が増えれば将来人材が充実し、製品やアプリケーション(使い方)のレベルが上がります。メーカーだけでなくシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などさまざまな立場でロボットに関わるプレーヤーもさらに増えます。国際ロボット展を、こうした好循環のきっかけにしたいですね。

TOP