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2023.10.18

連載

[新連載コラム:いまさら聞けないキーワード] vol.01 AMR

最近よく聞く言葉だけど、「それどんな意味?」と聞かれたら自信を持っては答えにくい――。そんな言葉はありませんか? 新連載コラム「いまさら聞けないキーワード」では、そんなロボット業界のキーワード・新ワードを紹介します。第1回のテーマはAMR。

 「AMR」、この言葉はロボットダイジェストの記事内にもしばしば登場します。Autonomous Mobile Robot(オートノマス・モバイル・ロボット)の頭文字を取った言葉で、自律移動型搬送ロボットや自律走行型搬送ロボットと訳されることが多いです。

AMRの一種であるKeigan製「KeiganALI」(2022年11月15日掲載記事「今年度内にAMRの群制御システム実装へ/Keigan」より)

 AMRは簡単に言うと、上に物を載せると所定の位置まで運んでくれる装置です。工場では細かい部品を入れた樹脂製の箱などを運び、倉庫では箱を積み上げた荷役台(パレット)や荷物を入れた状態の棚などを運びます。階層状の棚を持つ飲食店向けの配膳ロボットや、清掃ユニットを取り付けた清掃ロボットも、AMRの一種と言えます。
 荷台部分の形状や仕組み次第で現場に合わせた機能を持たせることができるため、国内外を問わず大手からベンチャー企業まで多くのメーカーがユニークなAMRを開発しています。

 同様の装置に無人搬送車(AGV)がありますが、違いは何でしょうか? AMRもAGVの一種ですが、その誘導方式が異なります。AGVの中でも、周囲の状況を読み取って臨機応変に判断し、自律的に走行できる新世代のAGVがAMRと呼ばれています。
 AGVが走行ルートを決めるための誘導方式には、床面に貼ったテープに沿って走行する方式、レーザーを照射し反射板の位置で自己位置を判断して走行するレーザー誘導方式、床面の二次元バーコードなどを読み込ませて誘導する方式などがありますが、AMRと呼ばれる製品の多くは「SLAM(スラム)誘導方式」を採用しています。
 SLAM誘導方式については、第2回で紹介します。

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