製造現場や物流現場では、労働力不足や重量物を取り扱う際に作業者に大きな負担がかかるなど、多くの課題がある。マテハンメーカーは、これらの課題の解決につながる自動倉庫システムや自動搬送システム、無人搬送車（AGV）などを提案する。搬送指示を出しやすい自動倉庫や位置精度に優れる搬送システム、搬送路設定の簡易なソフトウエアなど各製品の強みはバラエティーに富む。このコーナーでは全３回に分けて、マテハンメーカー15社の最新製品や一押し機種を取り上げる。今回は自動搬送システムに加え、自動運転フォークリフト（AGF）や自走式ロボットなどを紹介する。

リニアコンベヤー
「LCMR200」


　「『流す』から『動かす』」をコンセプトに、高い生産性を実現する高効率な搬送システム。ソフトのアップデートで最大可搬質量が30kgになり、従来機から倍増した。従来のコンベヤーではできなかった独立動作をするスライダーにワーク（対象物）を載せて搬送し、組み立て作業位置に高精度で停止する。組み立て作業後はそのまま次工程までワークを搬送することで、ラインのスペース効率が大幅に向上する。

ガイドレス浮遊搬送システム
「XPlanar（エクスプラナー）」


　コイルが敷かれたタイルと、永久磁石が埋め込まれた可動子（ムーバー）で構成されるガイドレス浮遊搬送システム。磁気浮上の原理を採用し、ムーバーがタイル上を自由自在に動き回れる他に、タイルとの摩擦の心配がない。ムーバーは６自由度を持つため、平面や上下方向の移動に加え、回転や傾斜も可能。また、導入先の現場に合わせてタイルを配置でき、搬送システムのレイアウトも柔軟に構築できる。

自動搬送システム
「id-SORTER（ソーター）シリーズ」


　ブラシレスモーター内蔵のローラー「パワーモーラ」と、コントローラーで構成されたモジュールをつなぎ合わせることで搬送路を構築する自動搬送システム。仕分け用のボールが任意の角度で回転し、搬送物を適切な角度で仕分ける「マルチアングルボールソーター」や、側面にガイドローラーを設置することで、搬送物と壁面との摩擦を抑えて搬送能力が向上する「ヴァーティカルローラーガイド」などをラインアップする。