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2019.11.19

産ロボ導入にメリットを感じる人が9割も! /第1回読者アンケート結果

ロボットダイジェスト編集部では、産業用ロボットの導入状況や産業用ロボットに対するイメージの調査などを目的に第1回読者アンケートを実施した。今回はその中で特筆すべきデータを紹介する。一般的に「大企業ほど産業用ロボットの導入が進んでいる」というイメージがあるが、実際のところはどうなのか。また、産業用ロボットの導入に効果を感じる人はどれほどいて、具体的に何がメリットなのだろうか。

ロボットの導入状況は会社規模に比例する

 アンケートの回答期間は2019年9月4日~13日の約2週間。ロボットダイジェストのメールマガジン登録者やフェイスブック、ツイッターのアカウントフォロワーに協力を依頼し、有効回答数は311だった。
 アンケートの対象が当サイトの読者なので、回答者の産業用ロボットへの関心は元々高いと推測できる。事実、全体の約3分の2は何らかの形で自身の業務と産業用ロボットに関わりがある。その前提を基に内容を見ていこう。

 今回のアンケートでは、「自社に工場がある」と回答した247人のうち、64%にあたる159人が「自社で産業用ロボットを導入している」と答えた。

 一般的に「大企業ほど産業用ロボットの導入が進んでいる」とされる。そこで企業規模ごとに考えるため、従業員数別で分けた。すると、企業規模が大きいほど産業用ロボットの導入が進んでいることが分かった(右表)。今回のアンケートでは、一般的なイメージ通りの結果が出た。

産業用ロボットの導入にメリットを感じる人が9割

 アンケートでは、「自社に工場があり、産業用ロボットの導入実績のある」人を対象に、産業用ロボット導入の効果を聞いた。

 まず導入の効果については、9割近い人が「効果がある」と回答した(右表)。
また「どのように効果があるか」も尋ねた。業種や会社の規模に関わらず、「生産品質やペースの安定」「自動化、省人化」「夜間、休日稼働」を挙げる人が多かった。

・「生産の効率化と精度の均質化が図れた」(60代男性、従業員1000人以上、金属加工業)
・「作業者の手作業の簡略化で、夜間稼働の自動化を実現」(50代男性、従業員301~500人、金属加工業)
・「力仕事、繰り返し作業が減った」(50代男性、従業員1000人以上、金属加工業)
・「生産の安定化」(50代男性、従業員1000人以上、ロボットシステムインテグレーター<SIer>)
・「工作機械の自動運転時間を増加できた」(50代男性、従業員101~300人、金属加工業)
・「人為的なミスの根絶」(50代男性、従業員51~100人、金属加工業)

産業用ロボット導入にデメリットを感じる人は3割

 一方、産業用ロボットの導入にはデメリットもある。アンケートでは、「デメリットを感じる」との回答が33%あった(右表)。

 こちらも「どのようなデメリットがあるか」を尋ねた。メリットとは異なり、会社規模によってデメリットが変化する傾向があった。特に中小企業に所属する人は、「メンテナンスの手間」や「工程変更の難しさ」との意見を挙げた。

・「故障対策や取り扱いにハードルがある」(40代男性、従業員1000人以上、金属加工業)
・「期待した精度を得られるまでの治工具の改善」(60代男性、従業員101~300人、非金属加工業)
・「ロボットを扱うためのスクールの受講(義務化されている特別教育含む)が混んでいてタイムリーに受講できず困る」(40代男性、従業員301~500人、金属加工業)
・「システム全体の導入費用が高額になり過ぎた」(50代男性、従業員1000人以上、金属加工業)
・「保全管理までしていないので故障が突然おこる」(50代男性、従業員21~50人、金属加工業)
・「1台のみの導入で、ロボット技術者が育てられない(必要性に迫られない)ため、工程の柔軟な変更ができない。システムメーカーに依頼することになる」(40代男性、従業員20人以下、金属加工業)

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