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2019.07.10

[特集FOOMA JAPAN]速報リポート! 今年のFOOMAはロボットだらけ【前編】

食品機械の専門展「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)2019」が7月9日に開幕した。12日までの4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれている。この展示会では年々産業用ロボットの存在感が高まっており、今回展では前回展よりもさらに産業用ロボットの展示が目立つ。会場で見つけた産ロボ提案を速報として紹介する。

存在感を増す産業用ロボットの展示

 今年は東京オリンピックの影響で東京ビッグサイトの東ホールが使えないため、西ホールと新設の南ホールでFOOMA JAPANは開催されている。会期2日目の現時点では初日の来場者数はまだ発表されていないが、例年よりも会場が小さい分面積当たりの来場者数は多い印象で、会場は活気に包まれた。

 FOOMA JAPANでは年々産業用ロボットの存在感が高まっており、今回展では前回展よりもさらに産業用ロボットの展示が目立った。
 今回のFOOMA特集では、安川電機、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、杉戸克彦会長)、オムロン、ストーブリの4つのロボットメーカーの展示内容を事前に紹介した。各社の力のこもった展示に多くの来場者が注目した。

  • 安川電機はケーキをクリームで飾り付ける作業の自動化を提案

  • 重量を検知して麺を定量ずつ仕分けるデンソーウェーブのシステム

  • オムロンは協働ロボット「TMシリーズ」などを提案

  • 人が近付くと停止し、安全柵なしで使えるストーブリのロボットシステム

自社の強みを生かす産ロボメーカーの展示

 事前に取り上げた4社の他にもロボットメーカーは出展し、食品産業向けにロボットシステム盛んに提案した。各メーカーの担当者とも「食品向けの需要が増えている」と口をそろえる。

 ファナックは、6kg可搬のスカラロボット「SR-6iA」を使って粉ミルク缶の搬送を実演した。粉ミルクの缶は重量が2.2kgあり、見た目の印象よりも重い。この缶を搬送し、その速さをアピールした。
 その他、3次元ビジョンセンサー「3DV/600」を使ったロボットシステムも披露。箱の中に雑然と置かれた複数種類の食品をビジョンセンサーで自動認識し、吸盤で吸い着けて持ち上げるばら積みピッキングを提案した。ビジョンセンサーでは対象物の形状や種類は認識せず、画像解析で吸い着けやすい面を見つけるだけなので、事前に製品形状を登録する必要がなく、認識までの時間も短い。

  • ファナックはスカラロボットで粉ミルクの高速搬送を実演

  • 3次元ビジョンセンサーを使ったばら積みピッキング

 川崎重工業は協働型の双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」5台を含む計6台のロボットを展示。双腕ロボットならではの使い方を紹介した。コンビニなどで売られるスパゲティーのふたを閉める作業では、片方のアームでふたを抑えたまま、もう片方のアームでふたの縁を押してはめる。単純に上から押し込むだけではできない繊細な作業だ。
 他には、一つのアームでおにぎりを番重(弁当などを入れて積み重ねて運搬するための容器)まで運び、もう一つのアームで番重のおにぎり同士の隙間を詰めていくシステムも展示した。「これを2台のスカラロボットでやろうと思ったら、もっと大きなスペースが必要になる」(広報担当者)。

  • 川崎重工業はふたを押し込んではめる作業を自動化

  • デュアロでおにぎりの番重詰めをする

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