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2024.10.08

「植物工場なら日本は勝てる!」、日本にオープンイノベーション拠点開設【前編】/Oishii Farm 古賀大貴CEOインタビュー

必要な技術がそろうのは日本だけ

「日本の技術を活用し、植物工場を開発した」と話す古賀CEO

――植物工場に使われている要素技術は日本製とうかがいました。
 施設園芸などの農業関連の技術と、オートメーションなどの工業関連の技術は、どちらも日本製です。施設園芸の技術が進んでいるのはオランダと日本です。また日本のオートメーション技術が優れているのは、読者の方々もご存知の通りでしょう。「私が日本人だから」ではなく、必要な要素技術をピックアップすると「すべてそろっている国は日本しかなかった」。そのため日本発の技術で植物工場を開発しました。

完熟度を自動で判断し、ロボットで収穫

――産業用ロボットは植物工場のどこに使われている?
 収穫作業に使っています。画像処理技術や人工知能(AI)技術でイチゴの完熟度を判断し、適切なものだけをロボットアームで収穫します。アーム先端のエンドエフェクターは自社で開発しました。メガファーム内では数十台の産業用ロボットが稼働し、収穫作業の完全自動化を実現できました。収穫後の検査や包装など、まだまだ自動化できていない工程もあるので、それらの工程も今後は自動化していきたいと考えています。

――まだまだ自動化の余地があるのですね。
 はい。自動化技術も、その他の技術も、まだまだ進化させる余地があります。そこで研究開発拠点として「オープンイノベーションセンター」を設立することにしました。日本法人(東京都渋谷区、鈴木正晴社長)も設立し、オープンイノベーションセンターは日本の首都圏に開設します。植物工場に必要な技術を持つ各分野のトップ企業と連携しながら、技術革新を目指します。

――なるほど。それでは後編で、オープンイノベーションセンターについて詳しくうかがえればと思います。

――後編へ続く
(聞き手・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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