生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.07.24

連載

[進化する物流vol.13]日本のニーズを肌で感じ、製品をさらに進化させる/HAI ROBOTICS 徐聖東CTO

HAI ROBOTICS(ハイロボティクス)は、中国の深センに本社を置く倉庫向け自動化システムのメーカーだ。箱を搬送するだけでなく、棚への出し入れまで自動化する自動ケースハンドリングロボット(ACR)などを製造する。2021年に日本法人HAI ROBOTICS JAPAN(ハイロボティクスジャパン、埼玉県三芳町、新井守社長)を設立し、日本市場での展開も強化する同社。来日した徐聖東(シュー・シンドン)最高技術責任者(CTO)に今後の展望などを聞いた。

倉庫作業者の負荷軽減を目指し創業

共同創業者でもある徐聖東CTO

――徐CTOは技術面での総責任者であるとともに、ハイロボティクスの共同創業者でもあります。まずは創業の経緯を教えてください。
 最高経営責任者(CEO)の陳宇奇(チン・ウキ)とは、お互い大学院生だった2012年に留学先のスイスで出会いました。2人とも専攻はロボティクスです。その頃、倉庫では作業者が毎日ものすごい距離を歩き回っていて身体的な負荷がとても大きいことを知り、「ロボティクスでこの問題の解決に貢献したい」と考えるようになりました。そして15年に帰国し、実業家で現在のチーフアドバイザーでもある李澤湘(リー・ザーシャン)香港科技大学教授などに出資してもらってその年に創業しました。

――最初から倉庫向けのロボットシステムに焦点を絞って創業したのですね。
 そうです。15年にACRの開発をスタートし、18年に一つ目の案件を納入しました。その現場で稼働させる中で気付いた課題やユーザーの声を基に製品をブラッシュアップし、19年から本格的に事業展開を開始しました。今では深センと香港に加えて、欧州や米国、東南アジアなどグローバルに展開しています。

高さのある棚も使用でき、保管効率が高い(写真は埼玉県三芳町の日本法人ショールーム)

――御社の製品の強みは何ですか?
 近年は、商品を保管する棚の下に潜り込んで、棚ごと搬送するタイプの無人搬送車(AGV)が倉庫の自動化でよく使われるようになりました。しかしこのタイプのAGVには課題もあります。その一つが商品の保管効率です。作業者が待つ場所に棚を自動で運んでも、棚からの商品の取り出しは人がしなければなりませんから、棚の高さは2.5m程度までに抑えられます。つまり倉庫上部の空間を有効活用できない。一方、わが社が開発するACRシステム「HAIPICK(ハイピック)システム」なら棚への出し入れはACRがしますから、人の手が届かない5mの棚も使えます。最大で10mの棚まで対応可能です。棚を高くできれば、その分同じ面積で多くの商品を保管できます。

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