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2021.03.09

[特集 物流機器は新世代へvol.12]対面での商談に花、コロナ禍でも好調な来場

国内最大級の物流展「国際物流総合展2021」が3月9日、アイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)で開幕した。新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年から多くの展示会が中止や延期に追い込まれた。開幕した国際物流総合展でも来場者の動向が心配されたものの、初日の来場者数は好調で、対面での久々の商談に花が咲いた。

乱雑に積んだ品も高速ピッキング/オカムラ

オカムラが出展したピッキングシステム「Right Pick(ライトピック)」

 オフィス家具で知られるオカムラは、ノルウェーのオートストアのロボット倉庫システム「AutoStore(オートストア)」や、米国のライトハンド・ロボティクスのピッキングシステム「Right Pick(ライトピック)」、目的地に向かって自律的に走行するSLAM(スラム)誘導方式の無人搬送車(AGV)「ORV」を大々的にPRし、物流現場の自動化を提案した。

 中でも、来場者の注目を集めたのはライトピックだ。専用のロボットハンドとビジョンセンサーで構成されており、会場ではユニバーサルロボットと組み合わせて展示。2つの箱に乱雑に積まれた日用品などを高速でピッキングするデモを披露した。

 ビジョンセンサーをピッキングに使う場合は事前に部品形状を登録する必要があるが、ライトピックは形状登録の作業がいらず、使い勝手が良いのが特徴だ。真空吸着パッドと三爪のグリッパーを組み合わせたユニークな形状のロボットハンドを採用したのもポイントで、担当者は「箱物から柔軟物まで、さまざまな形状の物をピッキングできるのが強み」と説明する。

移動の間に別のピッキング/寺岡精工

寺岡精工が出展した自律走行式ピッキングカート

 寺岡精工(東京都大田区、山本宏輔社長)は、新製品の自律走行式ピッキングカートを披露した。受注した商品の棚の前まで自動で移動し、作業者のピッキング作業を支援する。あらかじめマッピングした位置情報を基に、最適な経路を走行し、前方に搭載するセンサーで障害物などを感知して回避する。
 製品には、4つの計量器を搭載する。そのため、各商品の重量を登録しておけば自動で数量をチェックでき、バーコードスキャンでの照合と合わせて確実にピッキング作業ができるという。

 「従来は手でカートを押して商品棚まで移動するので、作業員は倉庫内で1日に5~7kmの距離を歩いていた。この製品を使えば、作業員の歩く距離を短縮できると同時に、カートが自動で移動する間に、作業員は別のピッキング作業ができて生産性が高まる」と説明員はアピールする。

1.5tの重量物も無人搬送/スギヤス

スギヤスは1.5tまで運べるABM15を初披露

 工場や倉庫、物流センターなどの現場で無人搬送車(AGV)の導入が進む。導入検討時のハードルになるのは、価格はもちろんだが、工場では特に積載能力ではないだろうか? 1tの荷物を運べるAGVもあるが、その分価格も400~500万円と高額なものが多い。
 
 「Bishamon(ビシャモン)」ブランドの物流機器メーカー・スギヤス(愛知県高浜市、杉浦安俊社長)は、1tまで運べる自動運転のデリバリーハンドに、新たに最大で1.5tまで運べる「ABM15」を初披露した。AGVではないが、磁気テープ上を無人で走行し、「分岐ルート」や「停止ステーション」を設置すれば、事前の簡単な設定で曲がったり、止まって荷降ろしなどができる。停止と分岐はそれぞれ最大で9カ所まで設置できる。
 
 自律走行機能に制限はあるが、価格は150万円~と自律走行式AGVの半額以下。
 「用途に応じて使い分けてほしい」(説明員)という。

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