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2020.10.17

伸縮自在の接触センサー開発、食品用ハンドに提案/大日本印刷

配線に伸縮性を持たせた接触センサーユニット

 大日本印刷(DNP)は10月9日、配線に伸縮性を持たせた「接触センサーユニット」を開発したと発表した。ロボットハンドで食品などをつかむ際の、把持力検知に使用する。

 従来はセンサーの配線がロボットハンドの動作の邪魔になり、引っ掛けて断線してしまうことがあった。また、配線をハンド内に埋め込んでも、食品分野で使われる柔軟性のあるソフトハンドでは素材が伸縮するため、配線が追従できず、断線するリスクがあった。こうした課題を解決したのが、DNPの接触式センサーユニットだ。

食品用のハンドなどに提案

 独自構造の伸縮配線と感圧ゴムを組み合わせた構造で、線材料には銅を採用した。130%までの伸縮動作を、100万回程度繰り返しても、電気的・機械的特性が損なわれないことを確認済みだ。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業として、産業技術総合研究所(産総研)・立命館大学と連携して開発した新技術「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」を活用した。

 DNPでは今後も産総研や立命館大と連携し、センサーで取得したデータに対するフィードバック制御の高精度化などを進め、自動化が進んでいない分野への普及を図る考えだ。

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