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2019.07.10

[特集FOOMA JAPAN]速報リポート! 今年のFOOMAはロボットだらけ【前編】

協働ロボットにAIを付けたシステムも

ユニバーサルロボットはAI企業のOSAROとコラボレーション

 デンマークの協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボット(日本支店:東京都港区、山根剛北東アジアゼネラルマネジャー)もブースを出展。
 「自動車や電機業界と違い、食品産業は生産技術部門がないケースも多くロボットに慣れていないので、パッケージ化したシステムを提案する」と山根ゼネラルマネジャーは言う。
 その一つが、米国サンフランシスコの企業OSARO(オサロ)の人工知能(AI)技術を活用したばら積みピッキングシステムだ。難易度が高いと言われる透明な飲料ボトルも認識でき、搬送できる。

コネクテッドロボティクスのホットスナック調理システム

 また同社のブース内ではコネクテッドロボティクス(東京都小金井市、沢登哲也最高経営責任者<CEO>)がユニバーサルロボットの製品を使い、コンビニのホットスナックの調理システムを構築した。
 ロボットが冷凍庫を開け、串に刺さった唐揚げなどをフライヤー(揚げ機)に投入。揚げ終わると保温ケースに収納する。注文があると保温ケースから取り出し、顧客の前に注文の品を出す。コネクテッドロボティクスはロボットによる調理システムを専門に開発するベンチャー企業で、これまでにたこ焼き調理システムなどを製品化しており、今回のシステムもいずれは製品化を目指している。

弁当盛り付けロボットをベンチャー企業が発表

アールティは弁当の盛り付けロボットを発表した

 他にもベンチャー企業の展示はあった。
 研究・教育用のロボットなどを開発、販売するアールティ(東京都千代田区、中川友紀子社長)は、弁当におかずを盛り付けるためのヒト型ロボット「Foodly(フードリー)」を発表した。
 弁当の容器に、唐揚げやハンバーグなどを詰める作業を担う。山積みになった唐揚げはビジョンセンサーでの認識が難しい物の一つだが、AIを使った独自の画像処理技術により、この課題を解決した。リスクアセスメント(リスクの確認と対処)をすれば安全柵なしで設置でき、人に交じって働ける。
 「実演をすると大勢の来場者が集まり、商談もとても多い。人が作業するとどうしても毛髪の混入などのリスクがあるので、衛生面から関心が高い」と広報担当者は話す。

 前編では会場で見つけたロボットメーカーの展示を中心に取り上げた。しかし出展しているのはロボットメーカーだけではない。後編ではシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)や商社、ロボットハンドのメーカーの食品産業に対する提案を紹介する。

――後編へ続く
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


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