2025.12.16
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3Dシミュレーションソフトの最新版をグローバルで提供開始/Visual Components

フィンランドに本社を置くソフトウエア企業のVisual Components(ビジュアル・コンポネンツ)は今年12月から、製造業向けの3Dシミュレーションソフト「ビジュアル・コンポネンツ」の最新版「ビジュアル・コンポネンツ5.0」の提供をグローバルで開始した。また、同社は日本市場の顧客開拓を強化する目的で今年1月に日本法人を設立。日本では特に、パソコン上でロボットのプログラムを作成するオフラインティーチングの提案に注力する。

1つのプラットフォームで

オフラインティーチングのイメージ図

 ビジュアル・コンポネンツは、仮想空間でシステムを高精度に試運転する「バーチャルコミッショニング」やオフラインティーチングなどの機能に特化した3Dシミュレーションソフトだ。

 最新版では、韓国の電気設備メーカーのLSエレクトリックのプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)や、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)や三菱電機などのロボットコントローラーにも対応し、バーチャルコミッショニング機能をさらに強化した。この拡張で、計22ブランドのロボットのプログラミングが可能となった。また、無人搬送車(AGV)や自律走行型搬送ロボット(AMR)などとリアルタイムでデータを交換できる通信プロトコル「MQTT」にも対応する。

「バーチャルコミッショニングからオフラインティーチングまで1つのプラットフォームで実現できる」と語るビジュアル・コンポネンツのミッコ・ウルホCEO

 ビジュアル・コンポネンツのミッコ・ウルホ最高経営責任者(CEO)は「バーチャルコミッショニングからオフラインティーチングまでを1つのプラットフォーム(基盤)で実現できる。ユーザーは自動化設備を導入する前に仮想空間で検証して改良できるため、導入後のトラブルを最小限に抑えられる」と話す。

日本ではオフラインティーチング提案を強化

「今後はオフラインティーチングの提案に注力したい」と語る日本法人の中村正明カントリーマネージャー

 同社は今後、日本市場への攻勢を強めたい考えだ。これまでは代理店経由で同ソフトを販売してきたが、代理店への技術サポートの強化と日本市場の顧客開拓を目的に、今年1月に日本法人のビジュアル・コンポネンツ・ジャパン(東京都港区)を設立した。既に日本の自動車業界への導入実績もあり、今後はビジュアル・コンポネンツ5.0を活用したオフラインティーチングの提案に注力するという。

 日本法人の責任者を務める中村正明カントリーマネージャーは「日本では、オフラインティーチングの認知度はまだ高くない。オフラインティーチングでロボットのプログラミングを簡素化できれば、ロボット導入のハードルが下がり、製造現場の人手不足解消につながる。まずは自動車の溶接や塗装といった領域にフォーカスし、多品種少ロット生産の自動化に貢献したい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 山中寛貴)

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