2022.10.05
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[進化する物流vol.8]物流自動化に本格参入、デモ施設も開設/ソフトバンクロボティクス

連載企画「進化する物流」のvol.8では、ソフトバンクロボティクス(東京都港区、冨澤文秀社長兼最高経営責任者<CEO>)を取り上げる。同社は今年9月、千葉県市川市に物流ロボットのデモ施設を開設し、物流自動化事業に本格的に乗り出した。「物流自動化を検討する際には必ず声がかかる、そういった存在を目指す」とロジスティクス事業本部長を務める坂田大常務執行役員兼最高製品責任者 <CPO>は語る。

業務用サービスロボなら世界一

 ソフトバンクロボティクスと言えば、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」のイメージが強いが、業務用の清掃ロボットや配膳ロボットなども取り扱う。その同社が、物流ロボットを使った物流自動化事業に本格参入すると発表した。  搬送ロボットが保管スペースの上部を走行する自動倉庫システム「オートストア」を中心に、モーションプランニング技術でパレタイズ・デパレタイズ作業を自動化するXYZロボティクス製のロボットシステム、搬送ロボットによる自動仕分けシステム「t-Sort(ティーソート)」などを幅広く提案する。倉庫実行システム(WES)でこれら設備を連携させ、入荷から棚入れ、ピッキング、梱包、仕分け、出荷まで、総合的な物流自動化ソリューションを提供できる。

ノルウェーのオートストア製の自動倉庫。同社の筆頭株主はソフトバンクグループ
中国のXYZロボティクスのパレタイズ・デパレタイズシステム
自動倉庫から出てきた商品をt-Sortで仕分け
ピッキングの作業指示はPicaviのスマートグラスに表示

 ピッキングや検品作業をサポートするスマートグラス「Picavi(ピカビ)」は日本初導入の製品で、XYZロボティクスが日本で販売連携するのも今回が初めて。その他にも国内外のさまざまな製品を扱う。これら製品が稼働する様子は、9月に開設した物流ロボットのデモ施設「ソフトバンクロボティクス・ロジスティクス・イノベーションラボ」で実際に見ることができる。

「物流自動化に本格的に取り組む」と話す坂田大常務執行役員

 「物流業界では後発だが、業務用サービスロボットでは70カ国以上で3万5000台以上が稼働し、世界一の実績がある。そこで培った知見を生かし、物流の自動化を検討する際には必ず声をかけてもらえるような存在になることを目指す」と坂田大常務執行役員兼CPOは言う。  同社は世界12か国に拠点を構え、「まずは日本から物流自動化事業を始めるが、いずれはグローバルでの展開も視野に入れる」という。

イノベーションラボが入居するESR市川ディストリビューションセンター

 イノベーションラボがあるのは、千葉県市川市のJR京葉線二俣新町から徒歩8分の場所にある物流倉庫「ESR市川ディストリビューションセンター」内。  見学予約は、同社ウェブサイト内のイノベーションラボ見学申し込み専用フォームから申し込める。 (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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