産業ロボット向けも拡充 アルミ構造材のSUS【後編】
アルミ製構造材大手のSUSが、産業用ロボット向け製品を拡充している。前編で紹介したパラレルリンクロボットを取り付ける架台(アルミフレーム)に加え、今年8月には、ファナックの協働ロボット「CRXシリーズ」専用のアルミ製台車が完成した。安全柵なしで稼動できる協働ロボットは、状況に応じた頻繁な移動が求められる。SUSのアルミ製台車なら軽く、キャスター(車輪)付きで簡単に現場間を移動させられる。開発を担当した第1開発グループソリューションチームの伴野慎哉チームマネージャーに話を聞いた。
「CRXシリーズ」の専用台車に
――ロボット向け以外の製品との違いはどんなところ? アルミフレームは一般的に、大きな力がかかると、ぶれてぐらつくことがあります。これを防ぐために、ZFではジョイント(接合)部分を差し込み式にしました。熱による伸縮を利用する焼きばめという技術を使い、ジョイントパーツの片方を熱し、もう片方を逆に冷やして各パーツをはめ込みます。アルミ素材は熱膨張係数が鉄の3倍もあり、こうすることでぐらつきを抑えています。ジョイントパーツを差し込んだ上で、最終的にはネジで固定します。しかもフレームは押し出し成型したもので、複数形材の組み合わせではありません。