ロボット、どこに置く?工作機械展に見る最新動向【後編】/JIMTOF2018
金属加工の業界でも産業用ロボットの普及が急速に進む。11月1日~6日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた工作機械の専門展「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」でも、各メーカーはこぞって産業用ロボットを組み込んだ自動加工システムを提案した。大手はもとより、中堅や中小メーカーでも産業ロボットを使った展示が目立った。各社のスタンスが分かれたのが、「ロボットをどこに置くか」だ。
機械の後ろにロボットを
前編では加工室内や機械の上にロボットを設置した展示を取り上げた。後編では前編とはまた違う、ユニークなロボットの設置提案を紹介する。 砥石(といし)で精密な平面を削りだす平面研削盤などを製造する三井ハイテックは、機械背面に可動式の開口部を設け、機械の後ろに安全柵不要の協働ロボットを設置した。 機械1台にロボット1台だとロボットの待機時間が長くなるため、2台の機械の真ん中にロボットを設置。両方の機械への加工材料の付け替えを担わせた。 「研削加工でも自動化の要望は高いが、加工を待つ間ロボットが止まっているのはもったいないとの声があった。複数台を1台のロボットが担えばこの課題を解消できる」と説明員は話す。
平面研削盤メーカーの岡本工作機械製作所も機械の裏側にロボットを置いた。 「作業者が研削盤の前面で作業できるよう、裏側にロボットを設置した。昼間は人が作業し、夜間はロボットが黙々と働くことで長時間の連続生産ができる」とマーケティング担当者は語る。 来場者からも非常に好評という。 また、この自動化システムで注目すべきポイントは、ロボットが器用に六角レンチを回して加工材料の付け替えをするところ。 ロボットを使う場合、通常は空圧などを利用して加工材料を固定し、また固定を解除する。だが、同社では「ロボットがここまで使えることをアピールする」(マーケティング担当者)ため、あえて手間をかけてロボットで六角レンチを回すデモを披露した。 ロボットの動作をひと目見ようと、研削盤の裏側に回り込む来場者の姿が目立った。