[エディターズノートvol.12] 下を走るか、上を走るか
物流・マテハン向けの自動化システムの進化が目覚ましい。中でも近年注目を集めるのが、保管棚と搬送ロボットを組み合わせたロボット自動倉庫システムだ。グローバルで見れば物流センターでの導入が多いが、国内では工場の部品や製品の在庫管理で使われるケースも多い。
先日もフランスExotec(エグゾテック)のロボット自動倉庫「Skypod システム」の大幅リニューアルに関する記事を掲載した([進化する物流vol.21]ロボット自動倉庫「Skypodシステム」の新世代モデルを開発/Exotec Nihon)。 さまざまな面が改良されたが、ハードウエアで大きな変更点を一つ挙げるとすれば、保管棚の最下段を搬送ロボットの走行スペースにしたことだろう。以前のシステムでは、搬送ロボットが走り回れるのは通路スペースだけだったが、保管棚の下をどこでも通れるようになり搬送ロボットが自在に走り回れるようになった。
保管棚と搬送ロボット間でコンテナ(樹脂製の箱)を受け渡しする方法などは各社で異なるが、保管棚の下を走行スペースにする構造のロボット自動倉庫は最近増えている。 パッと思い浮かぶ所では、中国Quicktron(クイックトロン)の「QuickBin(クイックビン)」や中国Libiao Robotics(リビアオロボティクス)の「AirRob(エアロボ)」、国内メーカーROMS(東京都品川区、前野洋介社長)の「Nano-Stream(ナノ・ストリーム)」などが挙げられる。 次々にユニークなシステムが発明されてきたロボット自動倉庫だが、市場が成長する中で収斂(しゅうれん)進化のように似た構造の製品が増えてきた。
※「エディターズノート」はロボットダイジェストの編集後記として毎月月末に掲載しています。 〇エディターズノート:記事一覧