[SIerを訪ねてvol.46]FA商社のSIer事業だからこその強み/特電
多くのメーカーとパートナーに
商社としてのパートナー企業も多く、約450社と契約している。オムロンを中心に、三菱電機、IDEC(アイデック)など国内の主要メーカーとは長く関係を築いてきた。 それだけでなく、最近は海外メーカーにもパートナーシップを広げている。 ドイツに本社を置く、フエニックス・コンタクト(日本法人=横浜市港北区、吉野博通代表)などのFA機器や、認定SIerとしてユニバーサルロボット(日本支社=東京都港区、山根剛代表)の協働ロボットを扱う。 加藤社長は「この先、製造業がどのように発展するかまだまだわからない。10年、20年先を考えた際に、海外製品の良い所も今のうちから取り入れて、顧客の課題解決に適切な製品を選んで提案をしたい」と話す。
商社の在庫をアフターサービスにも
同社は1959年に制御機器の商社として設立した。それから10年もたたずに、機器や部品の単品売りだけでなく、制御盤などユニットにした形で販売を手掛けるシステム事業を始めた。 さらにIT技術が普及すると、生産現場の制御機器からMESなどの上位層までを含めた一体提案をしてきた。 2003年には産業用ロボットを使ったシステム販売を始め、ロボットSIerの事業を本格化させた。07年には新社屋を建て、システムをラインで構築する工場も併設。13年には工場を増築した。今では繁忙期にその工場が目いっぱいになるほどの依頼を受ける。 最近では、自動化システムの導入前の講習会やセミナー、導入後のアフターサービスも強化している。特にアフターサービスでは、商社にある在庫部品を生かして、生産ラインの停止や不具合に即座に対応できる体制を築いた。同社ではこれを、「ワンストップサービス」と表現している。 加藤社長は「ソリューションシステム事業のワンストップソリューションと、商社事業を生かしたワンストップサービスを兼ね備えたSIerは多くない。しかも、生産現場から上位システムまでも分かる。両輪で『ワンストップカンパニー』として顧客の自動化やDX推進を支援したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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