[特集 工場物流を刷新せよ!vol.4]ワーク着脱から工場物流まで、変種変量生産の自動化に威力/DMG森精機
新たな分野にも可能性
同社は工作機械メーカーだからこそ、工作機械が使われる現場環境に適したAMRを提供できるとにらみ、AMRの自社開発に踏み切った。自社の強みを生かせる金属加工の分野にあえて軸足を置くことで、物流倉庫向けが多い競合製品との差別化も狙う考えだ。「金属加工現場の床面には凹凸があり、金属の切りくずやクーラント(切削油)が落ちている場合も多い。こうした不整地な床面でも安定して走行できるよう、走破性にこだわって開発した」と入野執行役員は振り返る。 WH-AMRは生産ラインの構成や生産形態に合わせて柔軟に運用できるため、特に変種変量生産の自動化に大きな威力を発揮する。主なターゲットは中小企業だが、WH-AMRはロボットとAMRで構成されているため一般的なロボットシステムと比べて取り扱いが難しく、現状は中堅企業からの引き合いが多いという。 入野執行役員は「より簡単に使えるよう技術開発を進めれば、WH-AMRはキャズム(製品が広く普及するための障害になる溝)を越えるだろう。また、WH-AMRは工場以外でも使えるため、新規分野に適用できる可能性もある」と期待を寄せる。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
※本特集は「月刊生産財マーケティング」とのコラボレーション企画であり、同誌でもこの記事をお読みいただけます。
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