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2023.05.15
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[ショールーム探訪vol.15]中国・四国地方で自動化の情報発信/トリツ機工「SRSC」

狭き門を通って開設へ

手前がトリツ機工本社で、奥がSRSC

 SRSC開設のきっかけは、社会的にロボット導入の機運が高まり、社内で独自にロボットのプログラミングを勉強する社員が出てきたことや、16年に経済産業省が「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」で助成事業を募集するなど、ロボット事業を立ち上げる下地ができつつあったことだ。同事業は344件の応募に対し採択されたのは37件と狭き門だったが、中国・四国地方のものづくり支援をテーマに掲げた同社は見事に採択された。  SRSCの建物は07年に購入したもので、かねてから活用方法を検討していた。補助金を含め1億5000万円を投じてロボットシステムを導入し内装をリフォームしてSRSCを開設。技術者を中心に4人の専任スタッフが運営している。今ではインストラクター資格を取得したスタッフが3人在籍し、安全衛生特別教育を実施して修了証の発行まで対応する。

ロボット普及の重要拠点

エントランス側から見たSRSCの外観

 SRSCは同社の常設ショールームである他、セミナーなどのイベントの会場として使われたり、県などが開催する講習会の会場として利用されることもある。「有料にはなるが機材や人員も活用いただける。SRSC開設当時、複数メーカーのロボットを展示するショールームとしては中国・四国地方初で、展示規模では今も最大級を自負している。ロボットの普及を通じてものづくりの支援につながれば」と鳥津社長は語る。  来場者数は22年5月の時点で915社2024人に上る。コロナ禍に見舞われるまでは右肩上がりで伸びており、コロナ禍中でも来場者が完全に途絶えることはなかった。イベント時を除き完全予約制での見学を原則としており、人との接触が最小限で済むことが要因だ。リアルの展示会やセミナーが本格的に解禁される風潮に合わせ、今年3月にはセミナーを主体とした「トリツプライベートセミナー2023」を開催。「2日間の会期で約700人が来場し、鳥取県からの来場者もいた」と鳥津社長は話す。このイベントでは常設のロボットに加えて協働ロボットを特別展示し、来場者の関心を集めた。

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