ヒト型ロボのコンソーシアム設立。7月には拠点開設も/山善、INSOL-HIGHなど
フィジカルAI・ロボットデータ収集センターとは?
今年7月には千葉県内にフィジカルAI・ロボットデータ収集センターを開設し、動作データの取得を始める。
同コンソーシアムによると、民間主体のデータ収集拠点は国内初という。敷地面積は1400㎡で、投資金額は非公表ながら「設備やソフトウエア、人材までを全てそろえると、10億円以上」(インソルハイ磯部社長)となる見込み。
同センター内では、「ロボットエリア」に中国のAGIBOT(アギボット)製のヒューマノイドロボット「G1」と「G2」を合わせて最大50台まで設置する。
ロボット1台にオペレーター1人が付き、ヒューマノイドロボットを遠隔操作して学習データを取得する。例えば、対象物(ワーク)を拾い上げたり、時には失敗したりする。その際にロボットのカメラで撮影した視覚情報や関節のモーターの動作情報などが学習用データになる。それらを大量に集める。
同センターにはその他にも、顧客ごとの個別仕様の動きでテスト稼働をさせる「テストエリア」や、蓄積した動作データの分析などをする「アノテーションエリア」を設ける。
参画企業の思い
参画する企業は、製造現場などの既存ラインを変更せずに人が作業している場所へヒューマノイドロボットを投入できる点に期待している。
ツムラはまず、自社工場での活用を想定する。
これまでも作業量の多い工程や繰り返し作業などから産業用ロボットを使った自動化に積極的に取り組んできた。しかし、目で見て判断を伴うようなワークピッキングや、加工機への資材投入などの作業をロボットだけでは補えなかった。
そこで、ヒューマノイドロボットに可能性を見いだす。
さらに、副次的な効果としてヒューマノイドロボットに各種センサーを付けることで、熟練作業者が五感を使って感じていた異変の予兆などをデータ化できないか検討しているという。
同社で生産本部長を務める熊谷昇一執行役員は「当初は自社での研究開発も考えたが、動作データを蓄積するのに10年以上かかる見通しだったため、コンソーシアムへの参加を決めた」と話す。
レオン自動機は自社工場だけでなく、同社の製品である食品加工機のユーザーにも自動化設備の一環として、ヒューマノイドロボットを提供する将来図を描く。
同社は皮状のものにあん状のものを包む「包あん機」を得意にする。まんじゅうや肉まんなどの定番から、その技術を応用してチーズ入りハンバーグなどの成形にも使われる。
その専用機の前工程では材料投入が必要。後工程では包装などが人手作業になりやすい。ヒューマノイドロボットで、そうした作業の置き換えを狙う。
生産本部長などを務める堺義孝常務執行役員は「産業用ロボット1台を設置するほど頻度の高くない、細かな作業が食品工場では多い。ヒューマノイドロボットには自走してもらい、複数工程を自動化してほしい。また、ヒューマノイドロボットで超多品種少量生産品の包あん作業をするのが、現状で想定しうる最終目標」と話す。
28年度には人と同等の作業を
同コンソーシアムでは、26年度中に単純作業の現場実装を開始させる計画を立てる。その後、27年度には1台のヒューマノイドロボットで複数のタスクをこなし、28年度には人と変わらないレベルで作業できる状態を目指す。
また、関東以外に2拠点目、3拠点目を設け、全国各地に広げる構想もある。
山善の中山専任役員は「製造現場や物流現場では産業用ロボットによる自動化は進んでいるが、どうしても全てをカバーできない。ヒューマノイドロボットの社会実装を加速させて、顧客やひいては日本の製造業の復権に貢献したい」と意気込む。
〇担当記者からのおすすめ①:ヒューマノイドロボットの自律作業の現在地と可能性示す/山善
〇担当記者からのおすすめ②:ヒト型ロボット用AIのトレーニングセンターに参画/山善
〇担当記者からのおすすめ③:[iREX2025リポートvol.12] 中国メーカーのヒューマノイドが存在感を発揮

