2025.03.19
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[SIerを訪ねてvol.54]車の自動塗装の難しさとは/大気社

協働ロボットシステムを使うことも

 同社は創業から110年以上の歴史を持つ。事業としては空調関連を1930年代から手掛け、その技術を活用できるとして塗装事業も50年代から始めた。当初は自動機が中心だったが、徐々に動作の制約がより少ないロボットに移行する流れがあり、現在はロボット塗装が主流という。  「最近は各自動車メーカーで、ロボット導入における安全規格の整備が進み、安全柵なしで運用できる協働ロボットも、リスクアセスメント(リスクの分析や評価、対処)を前提に採用され始めた」と野阪技術部長。タクトタイムも踏まえ、協働ロボットシステムを使う場合は協働モードと非協働モードを切り替えながら運用する。

自動化領域の拡大を

「塗装以外の工程の自動化にも取り組みたい」と語る野阪英嗣技術部長

 近年は、工場の自動化に当たり顧客から工期短縮に関する要求も増えつつある。同社ではシステム設計や提案をより効率化できるよう、塗装システムのパッケージ化も構想する。  野阪技術部長は「パッケージ化は簡単ではないが、塗装に関わるパラメーターの最適化にデジタル技術を活用するなどして実現したい」と話す。ロボットや周辺機器に人工知能(AI)技術を組み込んだ製品が増えており、そうした技術をさらなる自動化に生かせないか情報収集にも力を入れる。  また同社は塗装以外の工程の自動化にも手を広げる構えだ。野阪技術部長は「あらゆる領域で自動化需要は高まっている。塗装に近い部分から自動化の対象を広げ、わが社ならではのロボットシステムを展開できれば」と展望を語る。

(ロボットダイジェスト編集 水野敦志)

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