ワーク交換だけが自動化じゃない!加工や測定で多彩に活用【前編】
高まる産ロボの存在感
日本ロボット工業会(会長・橋本康彦川崎重工業取締役)が発表した産業用ロボットの用途別出荷台数を見ると、機械加工向けは2013年に5652台だったが、17年には1万3199台と2倍以上に増えた。特に16年から17年にかけて、飛躍的な伸びを見せる。
機械加工の自動化と言えばまず思い浮かぶのがロード・アンロード、つまりは被加工材の交換だろう。17年に機械加工向けに出荷された1万3199台のうち、1万1907台はロード・アンロード向けだ。
昨年11月に開かれた工作機械の展示会「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」でも産業用ロボットを使った展示は多かった。ほとんどの企業が被加工材の交換をさせていたが、それだけでなく複数の工程を1台に担わせる提案が目立った。
取り外したら測る
例えば計測だ。レニショー(東京都新宿区、ショーン・ハイマス社長)は産業用ロボットの周りに加工機と自社の計測機「Equator(イクエータ―)」、ストッカーを並べたロボットセルを提案した。加工後の製品をイクエータ―で計測してからストッカーに収める。多数の穴の内径など複雑な計測も1台でできる。
「これまでは大きな3次元測定機の載せ替えていた工程を、コンパクトでシンプルな自動化システムに置き換えられる」とマーケティンググループの佐藤清志マネージャーは言う。
被加工材を加工後に計測してからストッカーに収める提案は、他のメーカーでも多く見られた。