2025.03.12
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[ショールーム探訪 vol.35]現場のニーズに応える技術の発信地/近藤製作所「坂本工場ショールーム」

社内にユーザーがいる

「顧客のニーズに応じてさまざまな製品やソリューションを提供できる点がわが社の強み」と語る橋本和樹取締役部長

 同社は現在、「自動車部品」、ガントリーローダーなどの「FAシステム」、ロボットハンドなどの「ハンド&チャック ロボット周辺機器」、人工知能(AI)や画像認識技術の開発を担う「スマートファクトリーLabo」――の4部門で事業を展開する。創業当初は自動車部品工場としてスタートしたが、生産現場で必要となった製品を自社で開発してきた。その後、開発した製品の外販を進める中で事業が拡大し、結果として現在の4つの事業部門へと発展したという。  橋本取締役は「わが社の歴史こそが、社訓にも掲げる『ニーズをカタチに』を体現したものだ。顧客のニーズに応じてさまざまな製品やソリューションを提供できる点がわが社の強み」と語る。  自社製品のユーザーが社内に存在する点も大きい。自動車部品事業部が各事業部門で開発された製品を実際に生産現場で使用し、ユーザー視点で使い勝手や改善点をフィードバックする。各事業部門はこのフィードバックを基に、製品やソリューションの改良や新規開発を進め、現場のニーズに即した製品を生み出している。  橋本取締役は「自社の生産現場のニーズに即した製品を生み出し続けてきたわが社だからこそ、お客さまが本当に実現したいことを形にできる。今後もショールームを通じてお客さまの課題やニーズを発掘し、それぞれに合わせた適切な製品やソリューションを提案したい」と意気込む。

体験型ゲームを通して

体験型ゲームで遊ぶ小学生(提供)

 同社は地域貢献活動にも力を入れており、小中高生を対象にしたショールームの見学会を積極的に開催する。また、ロボットをより身近に感じてもらうための取り組みも実施しており、その中の一つが不二越の小型ロボット「MZ07」などを使った体験型ゲームだ。金属製のフレームに電極棒が触れないようゴールまで動かすゲームで、ロボットとゴールまでの速さを競う。

金属製のフレームに電極棒が触れないようゴールまで動かす記者

 FAシステム開発課の青木安武係長に「せっかくなので体験してみませんか」と誘いを受け、記者も実際にゲームに挑戦してみた。道中には起伏や障害物が待ち構えており、思った以上に難しい。それでも、ゴールした時の爽快感は格別で、童心に帰って楽しめた。この他、積み木を組み立てる速さを競う体験型ゲームなどもあり、ここに来れば大人も子供も時間を忘れて楽しめるだろう。

左から青木安武係長と橋本取締役部長

 橋本取締役は「小中高生向けにショールームを紹介した後は、設計や営業の仕事内容を紹介するパンフレットを配布し、ものづくりの魅力を伝えている。これらの取り組みを通じ、子供たちが少しでも製造業に関心を持ってくれるとうれしい」と話す。

(ロボットダイジェスト編集部 山中寛貴)

【取材記者より】 ショールームに足を踏み入れた瞬間、「これは面白いぞ!」と直感した。ショールーム内には同社の歴史や技術の進化がストーリー仕立てで紹介されており、ものづくりへの姿勢や思いがひしひしと伝わってくる。また、ロボキットやロボ台車の展示では、それらの製品がどのような現場ニーズから生まれたのかをデモを通じて理解できる。これまで長年にわたり「ニーズをカタチに」してきた同社だからこそ実現できたこの空間に、ぜひ足を運んでほしい。 施設概要 名称:坂本工場ショールーム 所在地:愛知県蒲郡市清田町大口3-1 予約連絡先:0533-66-6588 関連記事:[ショールーム探訪vol.34]製品の良さを見て触れて体感できる/オークラ輸送機「オークラ本社工場ショールーム」 関連記事:[ショールーム探訪vol.33]本物の物流倉庫で本番さながらのデモ/Phoxter「R&Dセンター」 関連記事:[ショールーム探訪vol.32]搬送の自動化をまとめて提案/ヤマハ発動機「CONNECTED SQUARE」

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