2024.07.01
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食品機械展でロボットに熱視線【その3】/FOOMA JAPAN2024

ゲル状液体や寿司、レタスも

粘性のあるゲル状の液体を充てんする三星工業の展示

 三星工業(新潟県上越市、有間健太郎社長)は充てん機「雫1号」を出展した。  充てん対象である各種ルウなどを模した粘性のあるゲル状の液体を、垂直多関節ロボットを使って容器に流し込む。食品の製造現場を意識し、ロボットにはジャケットを着せた。産業機械用スピンドルの製造などで有名な同社は、専用機械・装置なども手掛け、その技術力をアピールした。

不二精機はロボットで握り寿司を取り扱った

 不二精機(福岡市博多区、青木太志社長)は「業界初!」と銘打ち、ロボットを使った寿司自動ラインを参考出展した。  他にも食品工場向けの無人搬送車(AGV)はステンレス製ボディーのワイヤレス給電で、表示灯や障害物感知センサー、衝突防止バンパーなどを搭載し、食品工場での使用に最適化していることを訴求。各種ステーションなど充実したオプションも紹介した。

レタスの芯を除去するロビットの「CUTR」

 人工知能(AI)を使った外観検査システムなどを手掛けるROBIT(ロビット、東京都板橋区、新井雅海社長)は、レタスの芯を見極めて除去するロボットシステム「CUTR(カトル)」を展示。ロボット2台と、レタスの芯を見極めるカメラ、芯の除去装置を一体にしたシステムだ。2台のロボットが交互にレタスを把持して、カメラや除去装置に向けて差し出す。サイクルタイムは5秒以下で、熟練作業者並みという。  新たに専用のロボットハンドを開発。対象物を挟み込む爪の間隔を自由に変えられ、レタスだけでなく白菜やキャベツにも使えるようになった。新井社長は「導入事例も増えており、他の野菜に応用したいとの相談も増えてきた」と話す。

ロボットがカクテルも

 食品だけでなく、飲料を扱う展示もあり、ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズは、ブース内でAIとソフトロボットハンドを活用したカクテルバーを開き、他社の展示とは一味違った体験を提供した。AIカメラが来場者の表情を読み取り、その気分と表情に合わせたカクテルレシピを作成。ロボットがその場でオリジナルカクテルを作る流れだ。  協働ロボットが銀色のシェイカーボトルで材料を調合してシェイクし、同社のロボットハンドでサクランボをトッピングし、受け渡し口まで運んだ。「このカクテルバーはホテルや空港のラウンジなどに最適。FOOMAでは来場者から好意的な反応を多く貰った」とブース担当者は語る。

――続く (ロボットダイジェスト編集部 FOOMA JAPAN2024取材班)

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