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2024.04.15
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[SIerを訪ねてvol.44]画像解析ソフトや自動化パッケージで人手不足を解決/グローバルコネクト

親身にサポート

自律走行型搬送ロボット(AMR)を活用したシステムも手掛ける(提供)

 SIer事業は好調に伸びており、現在は売り上げの半分ほどを占める。同社はユーザーの疑問や困り事を解消しながら現場の自動化を進められるように、依頼時からシステム納入後まで親身にサポートする。  例えばロボットを導入するのが初めての企業からは「興味はあるが何を自動化すれば良いか分からない」との依頼を受けることもある。そうした場合には、業務内容や各工程に必要な人員、作業の危険性などをヒアリングして、自動化に向く作業を提案する。  G-Cobotも含めて納入した自動化システムに、無償で半年後と1年後に一度ずつ設備メンテナンスを実施するが、そのほかオンラインでも相談を受ける。「最近は設備に不具合があった際、現場の写真を撮影してもらい、それをもとにオンラインで対応策を伝えることも増えてきた。現地に行くと時間も出張料金もかかってしまうため、設備の状況などを踏まえて使い分けている」と言う。

依頼時からシステム導入後まで親身にサポートする

 またロボットの停止時間をより短縮できるように、遠隔でロボットを再稼働できるシステムを開発した。軽微な不具合でロボットが停止した際、カメラの映像を通して現場の状況を確認し、再稼働しても問題なければロボットの動作をリセットする。原点復帰した後に再稼働の指示を送ると、それまでの作業を再開できる。  松浦マネージャーは「以前から遠隔でリセットできるようなシステムの要望はあった。担当者が現場に行かずに解決できるようになったため、導入した企業から非常に好評」と語る。

長く使い続けられるように

SIer事業について説明する石井宏明マネージャー(左)と松浦理マネージャー

 同社が自動化しやすいパッケージの販売やユーザーへのサポートに注力する背景には、生産現場で「ロボット導入のハードルを下げたい」との思いがある。ユーザーがロボットに興味を持ったところに、丁寧な説明や現場ごとに適したシステムの提案をすることで、ロボットの利便性や生産性の高さを伝えられる。導入後も手厚いサポートを継続することで、ユーザーの不安を払しょくする。  松浦マネージャーは「わが社はシステムを導入して終わりや、パッケージを売るだけといったやり方ではなく、現場でロボットを長く使い続けられるような提案をしたい」と話す。ユーザーと話をする中で、以前ロボットを導入したが、不具合で停止してから使わなくなってしまったとの相談を受けたこともある。そうした事態にならないよう、同社は安定して稼働するシステムを導入し、メンテナンス面もサポートする。  石井マネージャーは「仕様書に起こせないような漠然とした依頼にも応えてきた。どんな内容でもまずは話を聞き、最適な自動化方法を模索したい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)

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