[2023国際ロボット展リポートvol.8]商社ならではの提案を/ダイドー、山善、ユアサ商事、リョーサン、愛知産業
点滅光の影響を受けにくいロボットシステム/リョーサン
エレクトロニクス商社のリョーサンはファナック製の協働ロボットと英国のCambrian(カンブリアン)ビジョンシステムを組み合わせた「3Dビジョンロボットシステム」を展示した。金属やプラスチックの部品をピッキングするアームの先端にカメラモジュールを取り付けたもので、光が激しく点滅する環境下でも反射する光の影響を受けにくく、正しく動作する。
その他、ドイツのロボットベンチャーFranka Emika(フランカ・エミカ)製のロボットと、エクサウィザーズ(東京都港区、春田真社長)が手掛けるAIを連携させたロボットシステムを紹介した。音声による作業指示をAIシステムが認識し、対象物をピッキングするシステムで、学習不要で定型文以外にも反応するため、誰でも簡単に作業指示ができる。
萩山公晴プロダクトマネージャーは「商社のネットワークを生かした多様なシステムを提案できた。今後も各社と連携し、可能性を探っていきたい」と語った。
永久磁石で重量物も安全に把持/愛知産業
輸入商社の愛知産業(東京都品川区、井上博貴社長)は、米国に本社を置くmagswitch(マグスイッチ)の磁石式グリッパー「マグスイッチ」を出展した。独自の永久磁石技術で、重量物も強力に把持できる。真空グリッパーに比べ、エア消費量の大幅な削減につながる。また電磁石式と異なり、急な電源の遮断時にもワークを落とさないため安全性が高い。
本社営業本部商品統括部マグスイッチ・システム販売統括課の逢坂欣哉課長は「爪の形状をワークに合わせてカスタマイズできる。自動車やエネルギーなどの分野から引き合いが多い」と説明する。
(桑崎厚史、斉藤拓哉、水野敦志、斉藤安紀)

