全体最適の視点に強み、2社協業で協働ロボを中堅・中小製造業に/セレンディップ・ホールディングス、プレミアエンジニアリング
テックマンロボットに一目ぼれ
セレンディップ・ホールディングスとプレミアエンジニアリングが接点を持ったのはほんのささいな偶然で、テックマンロボットを紹介するプレミアエンジニアリングの動画を、コンサルティング事業部担当の和田正信執行役員がたまたま視聴したのがきっかけだった。
「テックマンロボットはビジョンセンサーが標準搭載されており、最初から“目”を持っているのが大きな特徴。カンブリア紀に生物が爆発的に進化したのも目が関係していると言われており、ロボットにおいても目が果たす役割が非常に大きいと感じた。テックマンロボットに一目ぼれし、その場ですぐに松本社長に連絡した」と和田執行役員は振り返る。
一方、プレミアエンジニアリングは2019年12月に創業したテックマンロボットの一次代理店だ。松本社長はもともと、タイのファクトリーオートメーション(FA)機器商社のプレミアオートメーションセンターで営業を担当しており、日本よりも一足先にタイでテックマンロボットのセールスに携わった。そのノウハウを生かして日本で起業し、テックマンロボットの国内販売を手掛けるようになった。
和田執行役員からのオファーを受けた松本社長は「最初はコンサルティング会社がロボットビジネスをやるというイメージが全く湧かなかった」と率直に明かす。だが、実際に和田執行役員や出岡コンサルタントに会って話を聞き、「製造現場に関する深い知見や提案力の高さなど、自分だけではカバーできない能力があると強く感じた。セレンディップ・ホールディングスと手を組めばこれまでにないソリューションを生み出せるのではないかと期待し、協業を決断した」と語る。
協業してから1年ほどの間は、松本社長がセレンディップ・ホールディングスのコンサルタントにテックマンロボットの操作方法などを指導した。出岡コンサルタントは「松本社長の熱心なご指導のおかげで、わが社にテックマンロボットの知見が蓄積された。当初はほぼ毎日松本社長に相談していたが、今ではある程度技術的な内容でも社内で完結できるようになった」と自信を見せる。
今後はウェブセミナー(ウェビナー)の開催や展示会への出展などの露出の機会を増やし、営業攻勢をさらに強める構えだ。セレンディップ・ホールディングスはこれまでに、セレンディップ・ロボットトランスフォーメーションに関するウェビナーを2回実施してきた。視聴者からは「SIerとの役割の違いを分かりやすく説明している」などと好評を得たという。3回目のウェビナーも9月6日に開催することが決定しており、プレミアエンジニアリングと共同でテックマンロボットの最新の人工知能(AI)機能やその活用事例を紹介する予定だ。
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ウェビナーのオンデマンド配信動画①(セレンディップ・ホールディングス提供)
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ウェビナーのオンデマンド配信動画②(セレンディップ・ホールディングス提供)
「中堅・中小製造業のお客さまの自動化を加速させるには、まだまだスピード感が足りない。ソリューション提案や導入後のトレーニングも含め、どうスピード感を持ってお客さまにサービスを提供できるかが課題」と出岡コンサルタントは分析する。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
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