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2023.05.17
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[注目製品PickUp!vol.53]ソフトで柔軟にシステム構築/モベンシス「WMX3」

ハードからソフトへの置き換え

 WMX3の基本コンセプトは、産業用PCのハイエンドな中央演算処理装置(CPU)を使って高性能なモーションコントロールを実現すること。  一般的なモーションコントローラーではPLCやモーションボードなどのハード機器が必要だ。制御する軸が増えればモーションボードが増えるため、コスト増にもなる。それに対してソフトベースであれば、ハード機器を追加することなく制御軸を増やすことができる。WMX3ならば最大128軸まで同期制御できる。  「最近ソフトベースのニーズが高まる背景には、モーションボードやケーブルなどハード面の調達リスクを回避するなどのトレンドや時代の流れがある。特にグローバルでの調達リスクの高まりへの危機感が強まっている」(佐藤社長)

一般的なモーション・コントロール・システム
ソフトモーションコントローラー「WMX3」によるシステム
WMX3のソフト構成図

 コア技術は3つある。  まずオープンアーキテクチャー(構造、設計)のリアルタイムモーション制御。高度にモジュール化しており、米国のベンチャー企業と共同開発したリアルタイム基本ソフト(OS)を使用している。  そして独自開発の「ソフトマスター」。ソフトマスターとは、産業用PCとサーボやセンサーのインターフェースであるフィールドバス通信技術で、これによりEtherCAT(イーサキャット)やCC-Link(リンク) IE TSN、MECHATROLINK(メカトロリンク)-4などのフィールドネットワークに接続できる。  さらに豊富なモーションライブラリーを誇る。  市場ニーズが変化し、ハードベースのモーションコントロールでは単純な動きのPLCから、より複雑な動きのモーションボードへの置き換えが一般的な流れという。それでもボードの場合は物理的な制約がある。そこでハード的な置き換えではなく、ソフトに置き換えれば物理的制約もなくスムーズだ。  「ラダー言語に慣れたPLC技術者にとって、ソフトモーションへ移行する際のプログラミング言語の問題は大きい。そのためコード(プログラミング)なしでアプリケーションが構築できる製品の開発などにも力を入れている」(佐藤社長)

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