[SIerを訪ねて vol.32]「まるでカフェ」。高難度案件が得意なSIerの新社屋/インフィニティソリューションズ
国内販売トップに
サポートも充実
新社屋の建設では、同社のもう一つの事業の柱で培ったノウハウも生かせる。
同社では、金属加工品の設計と加工プログラムの作成に使うCAD/CAMソフトウエアの販売も手掛ける。米国オートデスクの「Fusion360(フュージョン360)」では、昨年10月から使い方の講習会やアフターサポートを強化した。それが顧客に好評で、売り上げを伸ばしている。
小山田社長は「同製品は高機能ながら売り切り型だったため、顧客は使いこなせていなかった。やはり、そこをサポートする必要があった。ロボットでも、このノウハウを生かせるのでは」と考えている。
新社屋には35人規模のセミナー室を2つ設けた。SIer事業でも製品説明会や教育講習なども積極的に開催する計画だ。
柔軟なアイデア促す
おしゃれなカフェのような空間は、社員にも好評だ。この2年ほどで若手社員が7人増えた。そこで若手社員が気持ちよく働ける環境も目指した。
同社では、従業員が社内で仕事をする座席を自由に選べる「フリーアドレス」制度を採用している。新社屋のラウンジや商談スペースも使える。
「おしゃれな空間の方が、やる気や発想力が高まる。難易度の高い自動化案件では柔軟なアイデアも重要で、気分転換を図れる空間も必要だった」(小山田社長)。
今後は、CAD/CAMなどのソフト販売とSIer事業の双方を手掛ける強みをより生かしたい考えを持つ。
「『ロボットは量産加工に使う物』との考えが一般的。しかし、ソフトと組み合わせれば、多品種少量生産の現場でも十分に使える。使い方のサポートも含めて、この新社屋を中心に顧客と新たな関係性を築きたい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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