生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.03.14

連載

[SIerを訪ねて vol.32]「まるでカフェ」。高難度案件が得意なSIerの新社屋/インフィニティソリューションズ

国内販売トップに

昨年の国内販売台数トップをたたえる盾

 それらの取り組みが功を奏し、昨年1年間で最も多くのKUKA製ロボットを国内販売した代理店となった。

 難易度の高い案件では相互のやり取りも多く、自然と顧客との交流も深まる。アフターサービスの相談も兼ねて、交流をさらに深めるような拠点として、新社屋を建てた。
 「時にはお酒を交わしながら、ゴルフシミュレーションもできる。気軽に遊びに来れる拠点にしたかった」と小山田社長は明かす。

サポートも充実

35人までを収容できるセミナー室を2つ設けた

 新社屋の建設では、同社のもう一つの事業の柱で培ったノウハウも生かせる。
 同社では、金属加工品の設計と加工プログラムの作成に使うCAD/CAMソフトウエアの販売も手掛ける。米国オートデスクの「Fusion360(フュージョン360)」では、昨年10月から使い方の講習会やアフターサポートを強化した。それが顧客に好評で、売り上げを伸ばしている。

 小山田社長は「同製品は高機能ながら売り切り型だったため、顧客は使いこなせていなかった。やはり、そこをサポートする必要があった。ロボットでも、このノウハウを生かせるのでは」と考えている。
 新社屋には35人規模のセミナー室を2つ設けた。SIer事業でも製品説明会や教育講習なども積極的に開催する計画だ。

柔軟なアイデア促す

「気軽に遊びに来れる空間にしたかった」と熱弁する小山田聡社長

 おしゃれなカフェのような空間は、社員にも好評だ。この2年ほどで若手社員が7人増えた。そこで若手社員が気持ちよく働ける環境も目指した。
 同社では、従業員が社内で仕事をする座席を自由に選べる「フリーアドレス」制度を採用している。新社屋のラウンジや商談スペースも使える。
 「おしゃれな空間の方が、やる気や発想力が高まる。難易度の高い自動化案件では柔軟なアイデアも重要で、気分転換を図れる空間も必要だった」(小山田社長)。

 今後は、CAD/CAMなどのソフト販売とSIer事業の双方を手掛ける強みをより生かしたい考えを持つ。
 「『ロボットは量産加工に使う物』との考えが一般的。しかし、ソフトと組み合わせれば、多品種少量生産の現場でも十分に使える。使い方のサポートも含めて、この新社屋を中心に顧客と新たな関係性を築きたい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)




関連記事:ロボ切削の普及に「値段」と「パッケージ」が必要/インフィニティソリューションズ「KATANA」

関連記事:[SIerを訪ねてvol.31]経験生かして金属加工に特化/山本金属製作所
関連記事:[SIerを訪ねてvol.30]地元企業の自動化の「最後の砦」/アラインテック
関連記事:[SIerを訪ねてvol.29]最新技術で高度な自動化を/愛知産業

TOP