2022.10.31
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ツールチェンジャー拡販に本腰、「エアレス」で差別化/鍋屋バイテック

脱炭素化に貢献

FWRシリーズの特徴や日本での販売戦略について説明する鍋屋バイテックの村岡豪部長代理

 NBKはFWRシリーズの発売を機に、ロボット用のツールチェンジャーの市場開拓に本腰を入れる構えだ。エアなどの動力源が不要な点を生かし、昨今の社会トレンドである脱炭素化に貢献する商材として、国内の自動車業界などにFWRシリーズをアピールする。  「ツィマーグループ製の電動グリッパーも多数取り扱っているため、FWRシリーズと電動グリッパーのセット提案に注力していく。日本ではエア式ツールチェンジャーが主流だが、機械式のメリットを生かして製造現場のエアレス化を打ち出すことで競合との差別化を図りたい」と村岡部長代理は強調する。  この他、エアホースの断線などエア関連のトラブルに頭を抱えるユーザーに対し、既存のエア式ツールチェンジャーからの置き換えも提案するという。  「遅くとも3年後までには年間100台を販売したい」と村岡部長代理は意気込む。

JIMTOFでデモ実施

 NBKはFWRシリーズや従来のエア式ツールチェンジャーだけではなく、ツィマーグループとドイツの真空機器メーカーのシュマルツが共同開発した「MATCH(マッチ)」も取り扱う。  日本国内では今年2月に販売を始め、3月に東京都で開催された「2022国際ロボット展」でも大々的にPRした。  マッチはツィマーグループの機械式グリッパーとシュマルツの真空吸着グリッパーに特化したツールチェンジャーで、FWRシリーズと同様に機械式のロック機構が採用されている。FWRシリーズ発売日の9月27日には9アイテムを追加し、製品ラインアップをさらに拡充した。

 NBKは今後、顧客のニーズに合わせてFWRシリーズやマッチを提案し、ツールチェンジャーの拡販に力を注ぐ。村岡部長代理は「FWRシリーズはさまざまなメーカーのエンドエフェクターに対応するため、導入の取っ掛かりには最適だ。FWRシリーズを使ううちに『エンドエフェクターもツィマーグループで統一したい』との要望が生まれれば、次のステップとしてマッチを提案するのが理想的な流れ」と説明する。    今年10月に大阪で開催された機械要素部品の専門展「第25回関西機械要素技術展」に出展し、FWRシリーズとマッチの両方を使ったエンドエフェクターの自動交換デモを披露した。  11月8日~13日に東京都で開催される工作機械見本市「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」でも同様のデモを実施する計画だ。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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