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2021.10.15

[特集MECT2021 vol.2]最新のロボット展示が目白押し

各社ブースにも多くのロボット

 各社の展示ブースでも、多くのロボットが見られる見込みだ。

 ロボットメーカーのファナックは、工作機械や工作機械用の制御機器を製造するメーカーでもあるため、MECT2021には大規模ブースを出展する。工作機械関連の展示がメインだが、同社製の工作機械「ROBODRILL(ロボドリル)」に簡単に取り付けられるパッケージロボットシステム「ロボドリルQSSR」」など、ロボットを使った自動化システムも提案予定だ。

 各種設備機器・機械商社のダイドー(名古屋市中村区、山田貞夫社長)のブースでは、7メーカーの産業用ロボットを一堂に展示する。ファナック、ヤマハ発動機、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)、三菱電機、ダイヘン、FUJI、セイコーエプソンのロボットシステムを紹介する。
 ファナックの新型協働ロボット「CRXシリーズ」を使い、ダイドー社内の各部署から選抜したプロジェクトチーム「ロボットマイスター」がシステムを構築する。三菱電機の協働ロボット「MELFA ASSISTA(メルファアシスタ)」は人工知能(AI)と組み合わせて展示。AIは今回の同社ブース全体のテーマでもあり、他にもAI外観検査システムなどを展示する。「7社のロボットと多種多様な周辺機器を一度に見られるブースは他にない。AIの展示も工夫を凝らしているので、ぜひ見て欲しい」と名古屋営業統括部の大岩英也開発部長は話す。

  • ファナックの新型協働ロボットCRXシリーズ

  • 「これほど多くのロボット関連製品を展示するブースは他にない」と大岩英也開発部長

独自構造のロボやエンドエフェクタ―も

20kg可搬の4軸水平タイプの使用例

 工作機械メーカーでロボットメーカーでもあるスギノマシン(富山県魚津市、杉野良暁社長)は、「スイングアーム式コラムロボット」の新タイプ2機種を会場で披露する。従来よりも高可搬化を図った製品で、可搬質量が従来の2.8倍の20kg可搬4軸水平タイプと、可搬質量が従来の3.3倍の50kg可搬垂直6軸タイプを展示する。
 20kg可搬の4軸水平タイプは軽量なアームとリンク機構を組み合わせた独自構造により、高速動作が可能。50kg可搬の6軸垂直タイプは参考出展機で、アームを折りたたんだ時の最小旋回径は515mm以下のため、装置間など狭い場所でも使いやすい。

日東工器はロボット用のベルトサンダーなどを展示

 産業用ロボットのアーム先端に取り付けるエンドエフェクタ―も複数のメーカーが展示予定だ。
 日東工器は、MECT2021で「ロボットによる自動化ツール」を提案する。
 目玉の一つは、受注生産で提供する自動機・ロボット対応のエアツールシリーズだ。圧縮空気で稼働する空気式ベルトサンダー「自動機用ベルトン」や空気式ダイグラインダー「自動機用エアソニック」、空気式回転サンダー「自動機用オービルサンダー」などでバリ取りの無人化を提案する。また協働ロボットや卓上ロボットなどのアーム先端に取り付けられる電動トルクドライバー「デルボシリーズ」により、ねじ締めの自動化、省力化も提案する。
 カワダロボティクス(東京都台東区、川田忠裕社長)とコラボレーションし、同社のヒト型協働ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」に取り付けて展示する予定だ。

 この他にも、ロボットを組み込んだ工作機械など、ロボット関連の展示は多い。
 「robot digest(ロボットダイジェスト)」はMECT2021の公式メディアとして、複数の記者を派遣し、連日会場内を取材する。会期は10月20日~23日。会期中にも、同展の記事を複数公開予定だ。来場予定の人にも今回は来場が難しい人にも、役立つ情報を現地からお届けする。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)




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