ロボ専用の「手持ち」機械工具で自動化提案を本格化【前編】/日東工器 石澤正光常務執行役員
力加減の難しさは、既存製品の良さで解消
ダイグラインダー「エアソニック」は細かな研削加工に向く(提供)
――残りの2製品の特徴もお願いします。
エアソニックは細かな研削作業に向きます。例えば、ベルトンでも用途に挙げたバリ取り作業ですが、エアソニックは切削加工した穴の縁などの細部に使われます。先細りのテーパー形状の先端工具で狭い隙間を狙ったり、円筒型の工具でやや広い範囲を研削するなど、先端工具を交換することで幅広い場面で使えます。
――オービルサンダーはいかがでしょう。
オービルサンダーはベルトンよりも広範囲の表面研磨用です。研磨部分がスポンジ状のため、既存の作業者用では、表面に傷をつけにくいのが特徴でした。ロボット専用では、ロボットとオービルサンダーの間に力加減を調整する機器を入れることで、作業者以上に磨いた跡を残しにくいシステムを構築できるでしょう。
――既存製品をそのままロボット向けにした理由は。
2年前にロボットに対応した製品の開発を本格化しました。その際に、現場の顧客の声を考えると、「まずは人手の作業をそのまま置き換えられる製品ラインアップをそろえた方がいい」と判断し、既存製品をロボット用に再設計しました。人手作業とロボットを使った作業のやり方がかけ離れてしまえば、顧客が人手作業で長年培ってきたノウハウなどをロボットシステムに盛り込む余地がなくなる。それは避けたかったため、このような方針を採りました。