[注目製品PickUp!vol.30]床から棚の上まで手が届く/岐阜機械商事「キャリスター・ロボ」
作業者の3本目の腕に
棚に製品を整列させたり、工作機械への加工素材の着脱などの用途を想定する。製造現場では床に置いたパレット(荷役台)に加工後の製品を置くことがあるため、機械から取り出してパレット上に置く作業での活用を期待する。 作業者1人では手に余る仕事があった時、キャリスター・ロボを近くまで移動させ、仕事の一部を代行させる。「作業する腕がもう1本増えたような、そんな『人のサポート役』になれればいい」と関谷社長は話す。 扱えるのは直径50mm程度で質量が3kgまでの物だが、現状搭載しているロボットよりも可搬質量の大きいタイプのロボットも台車に載せられるため、要望に応じて対応するという。
難しかったのはバランス
協働ロボットと昇降台車の組み合わせ。難しかったのは昇降台上のロボットのバランスを取ることだという。 昇降機を降ろした状態に比べて、上げた状態では重心が高く、ロボットが動いた時の影響が大きい。そこで、昇降機にガイドを取り付け、強度を高めることで安定させた。 車輪で移動させるため、固定しても、ロボットを速く動かすと台車の位置がずれることもある。カメラ付きのロボットを使うことで、多少のズレはロボットが自動で補正できるが、「どのように固定するか、位置がずれてもどう精度を出すかは、これからも課題になる」と関谷社長は考える。
(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)