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2024.12.03
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[注目製品PickUp! vol.74]使いやすさ重視のAGFでパレット搬送を効率化/ハクオウロボティクス「AutoFork」

耐久性や安定性でも高評価

オートフォークは走行時の加減速がスムーズで、小回りも利く

 鈴木社長はハクオウロボティクスを設立する前は、自動車の自動運転技術の開発を手掛けていた。だがそこで自動運転の社会実装までのハードルの高さを感じたという。  物の自動搬送であれば自動車のように乗客を傷つけることがなく、また他の機器との連携による発展性も高い。ちょうど物流業界で人手不足や法改正の問題が叫ばれ始めたこともあり、AGFに目を付けた。  「AGFを含め搬送ロボットは多数のメーカーが参入する市場だが、性能や信頼性が高く日本の現場に合ったAGFを開発したいと思い、起業を決意した」と振り返る。

 オートフォークの実証実験を通じたユーザーからの品質面の評価は高く、今年11月には東京ロジファクトリー(東京都立川市、細川武紀社長)の埼玉県川越市にある物流拠点で実運用を始めた。そこでは有人のフォークリフトのみを使っていたが、搬送の自動化をするべくAGFの選定をしていた。  「実証実験では走行速度や認識性能以外に、耐久性や動作の安定性などでも評価をいただけた」と鈴木社長は話す。

AGFの普及は加速度的に進む

「現場の自動化レベルの向上とともにAGFの導入も進む」と語る鈴木智広社長

 鈴木社長は「これからAGFの普及は加速度的に進む」と見通す。「物流現場ではAGFに比べ自律走行型搬送ロボット(AMR)の導入が進んでいる。だが物流の一部だけを自動化しても全体の効率化にはならないため、現場の自動化レベルの向上とともにAGFの導入も広がるだろう」と言う。  市場の拡大に備え、同社では製品のサポート体制を強化する。販売先を全国の物流現場に広げられるよう、メンテナンスを得意とする企業との協業体制の確立を図る。  今後の開発目標の一つには、周辺機器や設備との連携がある。鈴木社長は「オートフォークとエレベーターを連携させ、パレットを別の階に運ぶ実証実験も進めている。他にもユーザー自身でオートフォークに機能を追加できるような仕様にするなど、拡張性の高いAGFを目指す」と構想を語る。

(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)

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