[活躍するロボジョvol.17] 私の技術で、もっと多くの人を楽に/シナノケンシ 礒野仁美さん
緊急時に気付いた、自社の強み
新規分野のため、部署や会社全体で協力して手探りで進める取り組みも多い。 チームプレーの大切さが身に染みた出来事がある。昨年、展示会に出展するデモ機を2週間前にテスト稼働させた際に、ショートで故障させてしまった。原因は過電流。発送期間を考えると、1週間程度で修理しなければ間に合わない。 そこで、部署外にも協力を募り、必要な基板などをかき集め、何とか間に合わせた。「あの時は焦りましたが、チームプレーで乗り越えられました。協力するのは会社全体の社風。それに助けられました」と振り返る。 普段から、その社風を存分に生かす。例えば、本社内にある生産現場を訪れて、現場の作業者からニーズを聞き取りして、ロボットハンドの機能開発に役立てている。「先輩も、他部署も気軽に相談に乗ってくれます。お世話になってばっかりです」と笑う。
「自分なりの答えを持つ」
冬にはスノーボード、夏にはパラグライダーと自然を相手にしたスポーツを楽しむ。「普段はロボットを制御している。一方、自然は自分の力では制御しきれない。だからこそ、自然と向き合う時間を楽しんでいるのかも」と微笑む。 今後、当面の目標は機械と電気、プログラムの知識を身に付けること。その先には、大きな目標もある。 「ロボットは人の作業を代替して、負担を減らします。私が直接携わった技術で、もっと多くの人が楽になってほしいです」と将来を見据える。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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