ロボット導入を円滑に! ITベンチャーが自動化の課題にメス/ファースト・オートメーション
8月末までに100社
伊藤社長がファースト・オートメーションを創業したきっかけは、自身の前職での経験だった。前職はSIerの技術営業で、主にロボットシステムのプロジェクト管理やエンドユーザーとの仕様検討を担当していた。 実際に顧客と接する中で、仕様認識のずれやコミュニケーションエラーの課題に直面。こうした課題を解決したいとの思いから、20年9月に会社を立ち上げた。 「新型コロナウイルス禍の真っただ中での会社設立に不安もあったが、逆にコロナ禍がロボットの需要をさらに増加させるとも感じていた。だからこそ、SIerの業務負担を軽減できる仕組みや環境を整えてロボットの普及を後押ししたいと考え、前向きな気持ちで創業した」と伊藤社長は振り返る。 まずはロボインの運用から始めるとともに、資金調達にも奔走した。昨年11月時点で累計1億3000万円を集め、それを元手にロギアの開発や人材採用に取り組んで事業基盤を拡大した。 現在の収益モデルはロギアの有料プランと、ロボットのエンドユーザー向けの有償コンサルティングサービスの2つ。そのため、ロギアの登録者やエンドユーザーをいかに獲得するかが今後の成長の鍵を握る。
その一環で、同社は今年5月1日から7月31日までに登録した企業を対象に、ロギアの初期費用が無料になり初年度利用料も半額になるキャンペーンを実施。伊藤社長は「今年8月末までにロギアの利用者を100社に増やしたい」と意気込む。 また、各種展示会やFA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)が主催するイベントに参加し、事業内容のPR活動にも注力する。今年3月に開催された「2022国際ロボット展」にはリアルとオンラインの両方に参加した他、直近では6月30日~7月2日にかけて愛知県で開かれる「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」に出展する予定だ。 伊藤社長は「RTJ2022には製造業関連の方々が多く来場すると見込まれる。SIerだけではなく、エンドユーザーにもしっかりと事業内容をPRしたい」と話す。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)