啓発からより実践的な支援へ/さがみはらロボット導入支援センター
タイアップセミナーで「狭く、深く」
「啓発段階は終わり、より具体的な知識やノウハウの提供が求められるようになった」と川下所長は話す。そこで、導入支援センターではセミナーの内容を見直している。近年力を入れるのが、企業とのタイアップで実施する実践的なセミナーだ。 企業から講師を派遣してもらい、自社の商品紹介だけでなくその分野全体の基礎知識や具体的な使い方まで指導してもらう。新型コロナウイルス禍もあって10人以下の少人数で、一つのテーマについて数時間かけてじっくり学ぶ。 例えばこれまで、SMCとのタイアップで「空気圧」、武蔵エンジニアリング(東京都三鷹市、生島和正社長)とのタイアップで「塗布」、三菱電機システムサービス(東京都世田谷区、山本雅之社長)とのタイアップで「既設設備のリニューアル」、ダイドーとのタイアップで「協働ロボットの操作体験」などをテーマに実施してきた。 「テーマがピンポイントなので、特定の企業には『刺さる』セミナー。人数は少ないが具体的な目的意識を持った受講者ばかりなので、講師企業にもメリットを感じてもらえれば」と言う。ロボットや自動化に関する幅広いテーマで、タイアップセミナーの講師企業も募集中だ。
課題は、地元企業の生産性向上に対する意識の二極化だ。啓発活動が実を結び、相模原周辺ではロボットなどを積極的に活用して生産性向上を実現する企業が増えつつあるが、まだまだ腰が重い企業も多い。そういった企業にも、自動化による生産性向上に目を向けて欲しいという。 「ピンポイントのテーマで実施するタイアップセミナーもそのための取り組みの一つ。企業の特性に合わせてカスタマイズした研修なども提供できるので、まずはデモシステムの見学だけでも気軽に来てもらえれば」と川下所長は語る。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)