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2021.06.22
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[新連載ショールーム探訪vol.1]実際の倉庫環境で検証可能/プラスオートメーション「cube」

多種多様な製品デモが可能

 現在は、R&D用途も含めて7社程度の物流向けロボットを展示する。  同社はメーカーではなく、物流向けのさまざまなロボットをサブスクリプション(月額定額利用)方式で提供する企業。よい製品があれば順次ラインアップに追加するため、展示製品は随時入れ替わっているという。  ひと口に物流と言っても「仕分け」、「搬送」、棚から集荷する「ピッキング」などさまざまな作業があるが、それぞれに適した製品を用意している。  同社で最も導入実績が多いのが、仕分け作業を担うロボット「t-Sort(ティーソート)」だ。中国・浙江省の浙江立鏢机器人の製品で、日本国内で既に1000台以上の稼働実績がある。無人搬送車(AGV)の天板が傾き、荷物を指定したコンベヤーなどに載せることで、仕分け作業ができる。  訪問時は、デモに使う予定だった1台にトラブルが発生したため、急きょ横にあった別のシステム用のティーソートを使って動作デモをしてくれたが、その際の設定変更がとても素早く、簡単にシステムを立ち上げられる製品だと実感できた。

バーコードを読んでティーソートに載せるだけで仕分けができる
ティーソートを上下に移動させる機構を使い2段で活用
天板がベルトコンベヤー仕様のティーソート

 ピッキング向けには、Rapyuta Robotics(ラピュタロボティクス、東京都中央区、ガジャン・モーハナラージャ最高経営責任者)の「PA-AMR」をラインアップ。集荷作業をアシストするもので、出荷する商品が保管されている棚まで自動で移動し、商品をPA-AMRのコンテナに入れると、それを出庫場所まで搬送してくれる。  搬送向けには、ZMP(東京都文京区、谷口恒社長)の搬送ロボット「「CarriRo(キャリロ)」を提案する。地面に貼ったマークを読み込んで予め設定したルートを走行させたり、発信機(ビーコン)の後を追うなどの誘導方式に対応する。

コンテナに商品を入れると運んでくれるラピュタロボティクスのPA-AMR
ZMPのキャリロでカゴ車をけん引

 いずれもベンチャー企業の製品だが、品質や耐久性はcubeで確認済みだ。訪問者がロボットを使ったピッキング作業を体験したり、停止機能や回避ルートの自動作成機能を試すこともできる。  取材時はこれらの他にも、顧客向けデモ用ではなく社内でのR&D用の製品として、上記メーカーの新モデルや、その他メーカーの製品なども見ることができた。  「実際に扱う商品や対象物を持ってきてもらえば、それを使ったテストもできる。キューブは顧客・パートナー企業、自社、物流業界全体の三方良しの実現を目的に設けた施設なので、ぜひとも積極的に活用してもらえれば」と大橋エグゼクティブストラテジストは語る。

[取材記者から]  キューブ内の棚にはさまざまな大きさの段ボールや機材、部品・製品などが格納されており、実際の倉庫に近い環境が再現されていた。床にも棚にも置かれた荷物にも、特別な仕掛けは何もない。これを見れば、同社が扱うシステムが既存の物流現場にも容易に導入できるものだと感覚的に理解できるだろう。こうした細部にも、実際の稼働環境を再現しようという同社のこだわりがうかがえた。 (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也) 施設概要 名称:R&D/デモスペースcube(キューブ) 所在地:東京都品川区勝島1-5-21 MGL勝島1号倉庫1F 予約方法:プラスオートメーションのウェブサイト内「お問い合わせ」専用フォームから

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