ロボ切削の普及に「値段」と「パッケージ」が必要/インフィニティソリューションズ「KATANA」
開発の背景とは
インフィニティソリューションズの小山田社長は「完全自動運転をするMCを作りたかった。いくつもの加工工程や前後の段取り(準備・切り替えなどの作業)も含めて考えると、ロボットに段取りから加工、後工程までをさせるのが、最も合理的」とカタナの開発の意図を明かす。 小山田社長は、もともと金属加工やCAD/CAMソフトの販売を手掛けていた。その中で、10年ほど前からこの理想を持っていた。 そのためには、動作精度が高く、剛性のある産業用ロボットが必要。それに見合ったのが、KUKAのロボットだった。KUKAのロボットの特徴を知り、その性能を最大限引き出したシステムを作り上げる目標を立てた。
「世界に誇れるシステム」
同社は2月に内覧会を開き、カタナを発表した。3日間で160人が来場した。 小山田社長は「パッケージにすると、見た人が使用時のイメージを持ちやすい。内覧会でも来場者が熱心に見学していた」と手応えを話す。 業界誌などに取り上げられて認知度が上がったこともあり、同機はもちろんだが、個別のシステム構築の引き合いも増えた。今後も展示会を中心に露出を増やす方針。まずは5月16日~18日に金沢市で開かれる「MEX金沢2021(第58回機械工業見本市金沢)」に出展する予定だ。 同機の名称は日本刀に由来する。「日本刀は『折れず、曲がらず、よく切れる』だけでなく、武士の魂の象徴でもある。同機は世界最高峰の加工能力を持つロボット切削システムだと自負しており、また日本の高度な加工技術を継承したいとの思いも込め、誇りを世界に示すためローマ字で『KATANA』と付けた」(小山田社長)。 その思いが伝わるよう、外装を中心にデザインにもこだわった。機械カバーの四隅には発光ダイオード(LED)を配置し、稼働状況を発光色で表わす。 販売しやすくし、随所に思いを込めた同機で、ロボットを使った切削加工の普及を目指す。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)