シールスポンジ材をロボが貼る/豊臣機工
人とロボのすみ分け
三位一体の外販体制
ロボットスポンジシーリングの開発、量産、自社内での活用に成功した豊臣機工は、次に外販することを決めた。 しかし「うちは部品メーカーであり、物を作ることには長けているが、製品を販売する経験はなかった」(成瀬部長)。そこで、それまでにも付き合いのあったトライエンジニアリングと進和に声をかけた。そして18年、自社工場でノウハウや経験を蓄積した豊臣機工、顧客に合わせたシステムの設計と製作をするトライエンジ、全国の販売網を生かし販売とPRをする進和の3社による外販体制が整った。 本格的に販売を開始したのは今年の8月から。当初は進和による全国でのPRと同時に、展示会を活用したアピールも予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、展示会での発表は断念。代わりにウェブを使ってのPRを12月から始めるという。
外販を進めながら、対応できるシールスポンジ材種も増やす。 現在、豊臣機工では2種類のシールを使っているため、自動化ツールもそれらの種類に合わせてある。しかし、業種や使用される場所によって、幅や高さは異なる。顧客に合わせた要望にも、今後順次対応する。 また「すでにカットされた帯状のシール材だけでなく、カット前の巻かれた状態のものにも対応できるよう、自動切断機能を持つタイプも用意する」とトライエンジの岡部長は説明する。 独自技術の外販について「技術を独り占めすれば多くのメリットを得られるだろう。しかし、自動車だけでなく、いろいろな業種で使われることで、思わぬ使用方法が見つかることもあるし、現場で働く多くの作業者の負担を軽くすることができる」と成瀬部長は強調する。
(ロボットダイジェスト 編集部 渡部隆寛)