最短1日からでもレンタル可能、用途ごとにパッケージ化/高島ロボットマーケティング 中才悦夫社長
「ソリューションパッケージ」を開発
――ロボットを使うには、事前にシステム構築が必要です。設備の立ち上げに手間が掛かるので、短期間のレンタルは難しいのでは? システム構築が必要な用途の場合、短期間のレンタルでは構築に手間とコストは掛けられませんから、本体や架台、ロボットハンド(グリッパー)などを事前にセットにした「ソリューションパッケージ」を今年の7月に販売開始しました。現在は、ピック&プレース(搬送)や整列、組み立てなどができる「フレキシブル生産」と、工作機械に加工材料を付け外しする「マシンテンディング」の2種類を用意しています。ポイントは、基本の動作プログラムをあらかじめ準備していることです。例えばピック&プレース作業では、物をつかみに行く位置と、置く位置は現場ごとに異なりますが、その他の動作は共通です。出荷前に基本動作が入力してあれば、後はつかみに行く位置などを調整するだけでピック&プレース作業ができます。個別の設計やゼロからのプログラム作成が不要になるため、通常なら最低1カ月程度はかかる立ち上げ期間を、最短5日間程度に短縮できます。当然、トータルコストを大幅に抑えることが出来ます。
――今後、ソリューションパッケージを増やす計画はありますか? 現在は2種類ですが、段階的に計8種類程度まで拡大する予定です。新用途としては、ねじ締め、パレタイズ(箱の積み付け)、製品検査(耐久試験)などを計画しています。また、協働ロボットのブランドは現在、デンマークのユニバーサルロボットと台湾のテックマンロボットの2種類を扱っていますが、顧客の要望に応じて他メーカーへの対応も検討します。協働ロボットの短期レンタル事業は、関わる全ての人にとってプラスとなる「三方良し」の事業になり得ます。中小企業の人手不足解消に貢献でき、顧客が協働ロボットを理解した上でシステム発注するならSIerも作りやすい。もちろんメーカーや代理店の売り上げにもつながります。一時凍結している案件もありますが、新型コロナウイルス禍にあっても、協働ロボットレンタルの引き合いは増え続けています。2018年末にサービスを開始して以降実績を重ね、少しずつ認知度も高まってきました。今後はロボットの保有台数を増やしながら、より一層積極的に展開していく考えです。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)