2019.10.09
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ロボットが金属を削る! 主催者企画が示す加工の新たな可能性/メカトロテックジャパン2019

コンセプトゾーンA  周辺が加工領域に

産業用ロボットが主軸を装着する

 ロボットシステムの構築を手掛けるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のトライエンジの工場では、多くの産業用ロボットが並び、さまざまな業種向けのシステムが組まれている。その一角で、MECT2019で披露する切削加工システムのテストが進められる。  ロボットに加工をさせるメリットは、被削材のサイズが制限されないことだ。工作機械では機内に収まるサイズの被削材しか加工できないが、ロボットは自分よりも大きな物も加工できる。そのため大物や長物、規格外の被削材の加工で力を発揮する。  さらにロボットの周り全体が加工領域となるため、被削材を動かさなくても向きを変えれば周囲に置いた複数の被削材を加工できる。また、走行軸を取り付ければ、長物加工にも対応する。  切削工具の角度も自在に変えられ、「大型の加工機や専用機の購入に比べて、3分の1から4分の1ほどコストを抑えられる」とトライエンジの岡丈晴営業兼開発部長は話す。

焼き入れ鋼に穴が開く

 MECT会場では、アルミニウムと炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、焼き入れ鋼の3種類の材料を用意。ロボットは先端の回転ユニットを自動で交換しながら、面取りや穴開け、穴への雌ねじ加工などを披露する。  焼き入れ鋼への穴開けはテスト段階だが、直径3mmのドリルで深さ9~10mmの穴開けに成功。さらなる深穴にも挑戦しており、会期当日までにどれほどの深さまで穴開けできるかは、会場でのお楽しみだ。  また、加工の自由度を見せるため、コの字形に被削材をセット。ロボットがさまざまな体勢を取り、コの字の内側から上下面や側面などを加工する。

硬い焼き入れ網の穴開け
加工後の被削材
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