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2019.05.28
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[SIerを訪ねてvol.8]ウォータージェットで事業拡大!今後は脱ファブレスへ【前編】/ROSECC

特徴はファブレス

「システムの成立性とロボットの動きをよく知ることの2つが重要」と語る矢本洋一社長

 ロセックのSIerとしての特徴は、自社工場を持たないファブレスであること。ロボットハンドなどの部品製造やシステムの組み立てなど、システムの製造に関わる工程は外部の協力会社に委託する。  ロセック自体は、システム全体の取りまとめに加え、ロボットシステムの大枠を決める構想設計や仕様書作り、ティーチング(ロボットに動作を覚えさせること)、システムの動作確認、アフターサービスなどを担う。  ファブレスゆえ、ロセックはティーチングを自社の強みに掲げ、技術向上に努める。また、ティーチングに至るまでの構想設計にもこだわる。  矢本社長は「システムの設計がしっかりしていなければ、そもそもティーチングができない。逆に、ロボットがどう動くかを知らなければ、顧客に最適なロボットシステムを提案できない。それだけに当社ではロボットシステムがちゃんと成立するかどうかとロボットの動きをよく知ることの2つを重視する」と話す。

大事な2つの要素

WJシステムにはABBのロボットが使われる

 得意分野のWJシステムには、高圧水を発生させるポンプが必要だ。ロセックは米国のポンプメーカー、KMTウォータージェットと03年に販売代理店契約を結んでおり、主にKMTのポンプを取り扱う。  また、WJシステムにはABBのロボットを使うことが多いという。「WJシステムには大事な要素が2つある。一つは軌跡精度で、ロボットをいかに真っすぐ動かせるかが重要だ。もう一つは防水対応。ABBのロボットはこの2つに優れるので、WJシステムに広く採用されている」と矢本社長は理由を述べる。  ロセックはKMTのポンプとABBのロボットを中心に、周辺設備も含めた全体のシステムを設計し、ティーチングなどもしたうえで顧客に納める。  一方、ハンドリングシステムではファナックや安川電機、ABB、川崎重工業、不二越、デンソーウェーブ、三菱電機など、さまざまなメーカーのロボットを取り扱う。

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