[注目製品PickUp!Vol.5]最小、最軽量の持ち運べる6軸ロボット【後編】/安川電機 「MotoMINI」
小型軽量、でもそれだけじゃない
モートミニは小型軽量なだけではなく、繰り返し位置決め精度は±0.02mmを誇る。最大加速度も同社の既存の小型ロボットを大幅に上回る。動作精度が求められる評価や研究の用途にも使える性能を持つ。 さらに、同社がラインアップする産業用ロボットの中では最も低コストで導入できる。浪江課長補佐は「どの部品も従来より小型なので、全体のコストを低くできた」と話す。 小型軽量で低コストかつ高性能、安全柵も不要なモートミニは、中小企業の注目度も高い。発売直後は受注が殺到し、ほぼフル生産の体制で受注に対応。発売から18年末までの1年半で約500台を出荷した。
ロボットユーザーやマーケット開拓に期待
モートミニを発売したのは2017年6月だが、一般向けに広く公開したのは同年11~12月に開催された「2017国際ロボット展」が最初。安川電機みらい館の展示をベースにアレンジした。 ユーザー層だけでなく、行政機関や業界団体、メディアからの評価も高い。内骨格構造という設計上の新規性や、コンパクトなラインを作れる点が評価され、18年10月には経済産業省や日本機械工業連合会が主催する「第8回ロボット大賞」で日本機械工業連合会会長賞を受賞した。その他、新聞社主催の賞なども受賞している。 受賞理由として、「中小企業への普及」や「潜在的な自動化ニーズの開拓」に期待を寄せる意見が目立った。人手不足は業界を問わず社会全体の課題であり、これまでロボットが使われなかった業界でも潜在的な自動化のニーズは多い。岡久部長と浪江課長補佐は「ロボットメーカーとして、製品開発を通じて、常に新しいマーケットを作っていきたい」と口をそろえる。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部)
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