大手も参入、ロボ研磨に注目。3Mジャパンが愛知産業と連携【前編】
3Mには、3つの研磨材ブランドがある。研磨対象物を傷つけずにさびやバリを取り表面を整える「スコッチ・ブライト」、表面の凹凸を削り取ってきれいにする「キュービトロンⅡ」、表面の仕上げに特化した「トライザクト」。いずれの製品も長寿命で高い安定性を誇り、研磨力も優れる。 「研磨工程の自動化、ロボット化に必要なのがこれらの特徴であり、3M製品の価値が最大限に発揮できる」(日西事業部長) 長寿命なら交換頻度が下がってダウンタイムが減るため、生産性が向上する。常に一定の研磨性能を発揮できる安定性により、人の介在なしに仕上げ品質を維持できる。高い研磨力は、顧客が求めるタクトタイムの実現に寄与する。
創業ビジネスゆえの高い知見
3Mの創業ビジネスは研磨材(サンドペーパー)だった。研磨ビジネスを100年以上積み重ね、拡大してきた。研削から研磨まで幅広い製品ラインアップを持ち、研磨材の使いこなしについての豊富な経験と知見がある。 「研磨作業のロボット化には、ロボット・システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のノウハウに加え、研磨材についての確かな知見も不可欠。われわれには研磨剤の豊富な知見があり、それをロボットシステムに生かしたい」と日西事業部長は強調する。
ロボ導入こそ有効策
研磨作業は、いわゆる「3K(きつい、汚い、危険)」の仕事だ。若い人はやりたがらず、離職率も高いため、技能の継承が困難だ。そこに労働力不足という現状が追い打ちをかける。 だからこそ、ロボット研磨システムを導入する機運が今後高まるという。現在の研磨市場を取り巻くさまざまな問題に対し、ロボットの導入こそが有効な策になるというわけだ。 「ニッチな分野だが、今後の成長領域の1つ」(日西事業部長) 攻勢をかける際に、スリーエムジャパンが選んだパートナーが愛知産業だ。では、大手に“選ばれる理由”とは何だったのか?
――後編に続く (ロボットダイジェスト編集部)
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