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2018.12.07
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コンパクトさに驚愕、工作機械展に見る専用パッケージ提案【前編】

SIerなしでシステムを立ち上げ

オークマのスタンドロイドは大きな注目を集めた

 工作機械メーカー大手のオークマも、自動化に必要な装置一式をパッケージ化したロボットシステム「STANDROID(スタンドロイド)」を発表した。  加工材料のストッカーとロボットが一体化したユニットを機械の横に設置し、電源とネットワークケーブルをつなぐだけで据え付けが完了する。  操作も簡単で、工作機械の制御装置に動作の始点と終点など必要な情報を入力するだけでロボットの動作を設定できる。動作途中の経路は自動で作成されるため、人がいちいち入力する必要はない。  これまでロボットシステムの据え付けや、動作プログラムの作成は専門のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に依頼することが一般的だったが、スタンドロイドならSIerに頼まずに自社で容易に自動化システムを立ち上げられる。  据え付けに必要なスペースは従来の半分以下ととてもコンパクト。これは、狭い中でも周囲にぶつからない動作経路を自動作成する「干渉レス制御」機能があるからこそだ。  台車式の加工材料ストッカーとロボットを組み合わせた標準パッケージに加え、加工材料の付け替え以外も担える拡張パッケージも用意した。加工後の製品の品質チェックや、付着物を吹き飛ばすエアブロー、刻印などさまざまな機能を付加できる。

可搬重量100kgのシステムがドイツから

 輸入商社のキャプテンインダストリーズ(東京都江戸川区、山下宏社長)は、ドイツ・ゼロクランプ製のロボットシステム「ZEROBOT(ゼロボット)」を展示した。  工作機械の加工材料を交換するためのロボットシステムで、既存の工作機械に後付けもできる。  可搬重量は100kg。「これだけの重量を扱えるロボットシステムとなると、普通は非常に大掛かりになる。しかしゼロボットは軸構成や配置を工夫しており、とてもコンパクト。可搬重量がここまで大きい工作機械用ロボットシステムのパッケージ提案はあまりないので、来場者の反応はとても良い」(山下社長)。  加工材料や交換用ハンドなどはロボット横の壁面ラックにストックする。壁面ラックは忍者屋敷の回転扉のように水平回転し、両面がラックとして使える。ロボットが片面のラックを使っている間に、人が反対面のラックに材料をセットできる。  ゼロクランプはそもそも、工作機械に加工材料を取り付けるための固定装置のメーカー。加工材料の付け替えに関して、固定装置とロボットシステムでトータルコーディネートができる。

「100kg可搬でコンパクト」とゼロボットの魅力を語る山下宏社長
裏面もラックで、ロボットを止めずに次の材料をセットできる

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